特集

ここにはたしか!
♯002 英国館、スガナミ楽器、フラワーポット

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町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。

♯002 英国館、スガナミ楽器、フラワーポット

こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。高校を卒業した頃に出てすぐ買ったサザンオールスターズのデビューアルバムでは「女呼んでブギ」が一番好きでした。ご縁があって、町田の昔話を書いております。
今回は小田急線第二踏切周辺をふらふら。この狭い曲がり角で安全に右折する神奈中バスの運転手さんはほんとうに偉い、と子どもの頃から思っています。渋滞時など、乗客の無言の「早くいけ!」プレッシャー、厳しそうだし。
ずっと頑張ってた小さな焼き鳥店のあとにまた焼き鳥店ができて、その向かいには唐揚げ店...よく入れ替わるけどこのあたりはむかしから飲食店が多くて、町並みも変わってない感じ。桜美林高校がまさかの甲子園初出場優勝した1976年頃は、喫茶店がたくさんありました。なかでも思い出深いのが、焼き鳥側並びの地上階の英国館、そして唐揚げ側並び2階のフラワーポット。どちらでも通りに面した窓側の席が好きでした。
英国館は、線路沿いにいまもあるスガナミ楽器とセットでの記憶。スガナミのことは10万字くらい書けそうですけど...とりあえず、その頃は入り口付近がレコード(洋楽中心)、なかほどにはギターとベースがずらり、そして一番奥にバンド用のスタジオがありました。ここで友だちの練習を見学して、その後みんなで英国館へと。名前どおり紅茶の品揃えが豊富で、厚いグラスで冷えた淹れたてのアイスティーがおいしかった。
……えっオマエ、スタジオで見てただけ!? そう、下手糞だから入れてもらえなかったんですよ(泣)。っていうか、その友だちの高校生バンドはほんとに輝いていて、あっ、でも、この話はまた別の機会に!
フラワーポットの初代店長は、ひょろっと色白で真面目そうな...まだ20代だったんじゃないかな。入り口は通りにはなく、線路沿いの道から階段を昇った左手。こちらはバンド男子よりさらに文化系な客層で、店内には雑記用ノートが置いてありました、客なら誰でも自由に書き込み/回覧できる。でっ、私もけっこう書いてた、ポエムみたいの。
店はもうないし、店長とも集っていた方々とも音信不通。なに書いたか忘れましたが(死ぬほど恥ずかしいペンネームは覚えていますが秘密!)、もしあれが現存していて公開されるようなことがあったら、と考えるだけでも恐ろしいです。いまの匿名SNSみたいなもの、だったんだね。
もしこれを読んで「もしかして○○(←私のペンネーム)?」と思い至った人、連絡いただけるさいには、くれぐれも秘密厳守でお願いします~。
【プロフィール】
多田洋一(ただ・よういち)
フリーランスのライター&編集者。雑誌での取材や映画/テレビドラマのノベライズ等。2010年より年1回、個人主宰の文芸創作誌「ウィッチンケア」を発行。最新号(第8号)は4月1日発売。
http://witchenkare.blogspot.com/
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