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「版画の冒険 ミレー、ドガそしてムンクへ」-町田の版画美術館25周年で記念展

エドヴァルド・ムンク(1863-1944)「マドンナ」1895/1902年 多色刷り リトグラフ 大原美術館蔵

エドヴァルド・ムンク(1863-1944)「マドンナ」1895/1902年 多色刷り リトグラフ 大原美術館蔵

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 町田市立国際版画美術館(町田市原町田4)で4月14日より、開館25周年を記念する「版画の冒険 ミレー、ドガそしてムンクへ」展が開催される。

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 写真の登場や印刷技術が飛躍的に発展した19世紀後半のヨーロッパ、存続の大きな岐路に立たされた版画は、生き残りを懸けてさまざまな挑戦が行われた。その中で、「画家にして版画家」であるミレーやピサロ、ドガやルドンらが美術表現としての版画の道を切り開き、新しい時代に適応した。

 同展は、版画が生まれ変わるこの過程を3部構成で紹介する。出品作品は国内とフランスの機関が所蔵する優れた版画と、関連する油彩や水彩などを合わせた約200点。

 第I部「広めるための版画」では、版画の本来の機能である「画像の複数化」という点に注目し、ジャン=フランソワ・ミレーやウジェーヌ・ドラクロワなどイメージを広める手段として版画を制作した画家たちの作品を紹介。

 フェリックス・ビュオの「ウェストミンスター宮殿」など、同じ仕上がりの版画を何枚も制作することよりも、一枚に最高の仕上がりを求めて版画の刷りに細心の注意を払った作品を展示するのが、第II部「芸術的な刷りへの挑戦」。

 第III部「画家たちの実験」では、カミーユ・ピサロ、エドガー・ドガなど、常識に縛られない自由な発想で制作された画家たちの版画を展示する。

 「国内外の美術館から貴重な作品を多数お借りした。これらの素晴らしい作品をぜひご覧いただくとともに、注目してほしいのが出品作品の半分を占める当館の所蔵品」と担当学芸員の和南城愛理さん。

 「当館の準備室の段階から『版画史の流れが理解できるコレクション』を目標に収集を続けてきたが、今回の展示でも企画内容のポイントとなるのが、他館では収蔵していない版画美術館ならではのユニークな作品。企画内容も以前に当館で開催したいくつかの展覧会を土台にした。そうした意味で、これまでの25年間の活動の上に開催される企画内容」と自信を見せる。

 関連企画として、作家・太田治子さんと筑波大学准教授・田島直樹さんの講演会や子ども向けワークショップ、プロムナード・コンサートなどを予定する。

 開館時間は10時~17時(土曜・日曜・祝日は17時30分まで)。観覧料は、一般=1,000円、高校・大学生=500円、65歳以上=500円。展覧会初日と開館記念日の4月19日は無料。月曜休館(月曜が祝日の場合は開館、翌火曜休館)。6月17日まで。

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