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自閉症の青年が主人公-小説「ぼくはうみがみたくなりました」映画化へ
(2008年05月08日)
2002年に出版された小説「ぼくはうみがみたくなりました」の映画化で、間もなくクランクインする。同作品は、自閉症の青年が看護学校に通う女子学生と老夫婦に出会い、三浦半島の海に向かう旅の中で心を通わせていく物語。
作者の山下久仁明さんは手塚プロに所属していた脚本家。長男のヒロキ君が自閉症だと分かったことがきっかけで、障がい者青年学級のボランティア活動を始め、障がい者との関わり方を学んだ。同じような立場の親や施設スタッフと交流で「元気づけられた」山下さんは1996年、「小学生になるヒロキが学校以外に通う場所をつくるため」、障がい児専門の放課後活動の場「フリースペースつくしんぼ」(町田市小川1511)を開設した。
小説の執筆を思い立ったのはヒロキ君が中学校に進学したころ。「長男のためにも、先天的な脳の病気である自閉症を知ってもらうための映画をつくりたい。映画の原作となる小説を書いて、その本が売れれば映画にできるかもしれない」(山下さん)と2カ月で書き上げ、「さまざまな障害」をテーマにする「ぶどう社」から出版した。
山下さんが映画制作準備実行委員会のサイトづくりに取りかかりはじめた2006年3月末、突然ヒロキ君が亡くなる。一人で大好きな散歩に出かけ、線路で電車に接触した。15歳だった。山下さんは「何かしなければ、という焦り」のなかで、葬儀が終わってから4日目に自分のブログで映画制作宣言をした。
宣言直後からマスコミで記事や番組に取り上げられ、数カ月の間に多額のカンパが集まった。しかし現在は「カンパを募っているが、2006年当時と較べると苦心している」という。映画の制作予算は5,000万円。うち、2,000万円を文化庁の助成金と自己資金で賄い、3,000万円をカンパで集めたいと話す。カンパの合計額は5月3日時点で1,630万円。
山下さんは先月、ヒロキ君との15年の生活をつづった本「おさんぽいってもいいよぉ~」をぶどう社から出版した。印税はすべて映画制作資金に充てるという。
現在、キャストオーディションを実施中で、7月のクランクインを予定する。「梅雨明けの三浦の海で撮影したい」と山下さん。「映画が完成したら上映会の全国行脚をしたい。自閉症の親に見てもらって、元気になってほしい」と抱負を話す。
「ぼくはうみがみたくなりました」制作準備実行委員会
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