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町田で「日影丈吉」没後25年展 戦後ミステリの作家紹介も

©村上芳正

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 町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4、TEL 042-739-3420)で10月17日より、「没後25年 日影丈吉と雑誌宝石の作家たち」展が開かれる。

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 日影氏は1949(昭和24)年、「かむなぎうた」で41歳の遅い作家デビューを果たす。江戸川乱歩に「ほとんど完璧の作品」と激賞された同作は新しい幻想ミステリとして文壇に迎えられた。作風は、はじめ純文学の香りのするミステリとして評価された後、その幻想性によって、澁澤龍彦や種村季弘ら幻想文学者たちからも愛された。

 一方、デビュー前からフランス語が堪能(たんのう)だった日影氏は、戦前戦後にわたって若い料理人にフランス語やフランス料理の知識を伝える講師を務め、多くの名料理人を育てた。デビュー後には、「オペラ座の怪人」や「メグレ警部シリーズ」など、フランス文学の翻訳家、紹介者としても活躍した。

 同展では、推理作家・幻想文学者・翻訳家として多方面に活躍し、晩年のおよそ20年間を町田に過ごした日影氏の仕事を紹介。「宝石」の編集長を務めた江戸川乱歩、同誌上に金田一耕助を初登場させた横溝正史、詩人であり「宝石」の主幹としても活躍した城昌幸、日影氏と同様に「宝石」からデビューした山田風太郎など、戦後のミステリ界を支えた作家たちの仕事を同時に展示する。

 関連企画として、作家・諏訪哲史さん、文芸評論家・東雅夫さんの各講演会、俳優・池田稔さんの朗読と東京造形大学大学院「Hachioji影絵プロジェクト」のコラボレーション企画、俳優・鈴木弘秋さんの朗読会などを予定する。

 開館時間は10時~17時。観覧料は、一般400円、65歳以上・大学生200円、高校生以下は無料(10月17日、10月25日、11月3日、12月20日は入場無料)。講演会や朗読会などは事前申し込みが必要。月曜(11月23日除く)・第2木曜休館。12月20日まで。

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