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「カートリッジみたい?」オーディオテクニカ新本社が完成

オーディオテクニカ新本社の外観

オーディオテクニカ新本社の外観

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 町田・成瀬街道沿いのオーディオテクニカ新本社(町田市成瀬2)が竣工し、1月12日にお披露目式が行われた。

西側から見た建物

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 レコード表面の音溝の振幅を電気信号に変換するカートリッジを製作販売するために創業した同社は1965年、本社と工場を成瀬に移転。自社開発のVM型カートリッジで「世界1位の生産数」までに業績を伸ばしたが、CDの登場に伴ってマイクロフォン、ヘッドフォン、AVアクセサリーに注力。オリンピックやグラミー賞、サマーソニックなどで同社のマイクロフォンが使用されている。

 新本社の設計は早稲田大学の赤坂喜顕研究室。設計施工は竹中工務店。赤坂さんは同社の主要拠点の設計や監修に関わってきた。「基本計画の段階では他所につくるという案もあったが、創業の地でつくるのがふさわしいと社長に申した」(赤坂さん)。

 「全精力を投入して設計した」建物は、傾斜面の敷地特性をデザインモチーフとしてスキップフロアや大きな片流れの屋根に反映。周辺の住宅地に配慮するため、できるだけスレンダーにしたという建物は、「モビーディック(白鯨)」というプラン名を付けられている。成瀬街道からはカートリッジを逆さまにしたような形にも見える。

 内部空間は事務系スペースと技術開発系のスペースに分け、間にスカイライトで内部に光を取り組むブリッジコアを配置。敷地の高低差をスロープでつなぐ。

 技術開発系のスペースには、試聴室や無響室、外部電波を遮断するシールドルームのほか、電波暗室を新設。社員食堂や応接室には旧建物のタイルやステンドグラスを再利用し、記憶の伝承を図る。エントランスホールには創業者が収集した世界の名蓄音機コレクションを展示。

 「ここで素晴らしい製品が生まれ、世界の多くの人に感動を与え、貢献することを願っている」(赤坂さん)。

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