日本フットボールリーグ(JFL)第1節が3月10日に行われ、FC町田ゼルビアは福島ユナイテッドFCに0対1で敗れた。観客数は6,379人。
ゼルビアは昨年からメンバーが大幅に入れ替わった若手主体のチーム。スターティングメンバーで去年もゼルビアでプレーした選手はわずか3人。
「立ち上がり、若い選手はボールを運ぶことと動かすことに恐怖を感じていた。経験不足やメンタリティの弱さがあった」(秋田豊監督)というように、ペースをつかめないまま前半10分に先制点を許す。後半はゼルビアが積極的に攻撃を仕掛けるが、最後まで福島の堅い守備を崩せなかった。
強風で煙霧(えんむ)が発生し、ゼルビアは風下でのプレーを強いられた。「コイントスで勝ったら必ず風上を選ぶようにしている。今日の試合も風上で先制点をとれたのが大きかった」と福島の時崎悠監督。
東日本大震災から2年を迎える前日、福島はJFLで初めての試合を勝利で飾った。「これまで苦しいことばかりだった。今日のゼルビアとの開幕戦に向かう選手のモチベーションは高かった。JFLは全国で試合をする。各地に避難している人たちにとって、誇りになることが我々の存在意義」と話す。
J2再昇格へ向けて黒星スタートのゼルビア。「全体として修正すべき点は多い」と秋田監督。次の公式戦は3月16日、同じく開幕勝利を逃したSC相模原と麻溝公園競技場で対戦する。
試合前、酒井良さん(現ゼルビア普及コーチ)の現役引退セレモニーが行われた。酒井コーチはゼルビアジュニアユース出身。湘南ベルマーレなどを経て関東2部リーグだったゼルビアに加入し、Jリーグ参入に貢献した。「現役引退に後悔はないが、新しいスタジアムを見て、またプレーしたいという気持ちがわいた。今のチームが不甲斐ない試合をしたら、現役復帰を考えます(笑)」と冗談を交えながら挨拶。「来年Jリーグに復帰するために応援してほしい」などと呼び掛けた。