幕末の浮世絵界を代表する絵師の一人、三代歌川豊国の作品を紹介する展覧会が3月8日より、町田市立国際版画美術館(町田市原町田4、TEL 042-726-2771)で開かれる。
三代歌川豊国(1786~1864)は国貞の名でデビューし、流行を敏感に捉えた画風で庶民の人気を集めた。その後、1844(弘化元)年に豊国の名を襲名、華やかな役者絵や美人画を得意とし、一門を率いて膨大な数の作品を制作した。弟子筋からは「明治の写楽」と呼ばれた豊原国周(1835~1900)や、美人画の名手だった楊洲周延(1838~1912)などの明治時代の浮世絵界のスター絵師が輩出されている。
同展は、三代豊国とその一門による浮世絵約120点を一堂に展示。役者たちの姿を鮮やかに描き出す「見立三十六歌撰(みたてさんじゅうろっかせん)」、風景画の名手である歌川広重との共作「双筆五十三次」などが見どころ。「粋で清新な作品の数々を楽しんでいたければ」と同館学芸員。
開館時間は10時~17時(土曜・日曜・祝日は17時30分まで)。月曜休館(月曜が祝日の場合は開館、翌火曜休館)。観覧料は、一般=600円、高校・大学生・65歳以上=300円、中学生以下無料。3月30日まで。