2メートルを超える大きな「左耳」-和光大生が制作、一般に公開

「記憶の耳・EAR 2008」と鷲見ゼミ生

「記憶の耳・EAR 2008」と鷲見ゼミ生

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 和光大学芸術学科(町田市金井町)の鷲見和紀郎ゼミは12月6日より、学生が制作した「記憶の耳・EAR 2008」を展示している。

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 展示は三木富雄氏没後30年を記念して企画されたもの。三木氏は、1958年の第10回読売アンデパンダン展でデビュー。1963年の個展で初めて「耳」を出品してから、アルミなどで左耳を作り続けた。その理由について、「私が耳を選んだのではなく、耳が私を選んだ」と述べている。1978年、40歳で急逝した。

 鷲見ゼミは毎年、現代美術史から1作家1作品を選び、研究と再制作・展示を共同で行うプロジェクトを続けている。最後となる今年は、鷲見さんがアシスタントを務めたこともある三木氏の作品をテーマにした。

 ゼミ生は前期、三木氏と60年代の美術・文化研究と身近にある耳に関する資料の収集と、自分の耳の型取りや実際に粘土で耳をつくる課題をこなし、後期から大型の耳=「記憶の耳・EAR 2008」を共同制作した。

 作品は高さ約220センチの石こう製、重さは100キログラムを超える。同ゼミ生10人が約2カ月かけて作り上げた。「耳がテーマと聞いてピンとこなかったが、ずっと耳を見続けるうちになじんできた。作品が大きいので、持ち運び方法なども検討した」とゼミ生の三原さん。

 鷲見さんは「三木富雄の作品の成立と困難さを体感しつつ、完成作品からは読み取れないプロセスを実際に経験することによって生まれた作品をご覧いただきたい」と話している。

 会場には、耳に関する習作やスケッチ、三木氏の作品なども展示している。公開時間は12時~18時(最終日は17時まで)。会場は和光大学B棟303アトリエ。今月12日まで。

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