日本フットボールリーグ(JFL)後期第9節が9月13日、町田市立陸上競技場(町田市野津田町)で行われ、FC町田ゼルビアはFC琉球に1対0(前半1対0)で勝利した。観客数は2,374人。
前節、アウェーでアルテ高崎に快勝し、順位を7位まで上げたゼルビア。ブルーノ選手と御給選手の新加入、山腰選手と蒲原選手の戦列復帰によりFW陣が充実、チーム状態は上向き。
試合前、選手らは11日に逝去したゼルビア強化育成部長の沖野等さんに黙とうをささげた。沖野さんは明大卒業後、81~91年に広島フジタサッカークラブでプレー。引退後はアビスパ福岡のサテライト監督やアルテ高崎の総監督などを歴任。昨年10月からゼルビア選手の育成などを担当し、MF大前選手などを見出した。
試合は前半、ゼルビアがボールをキープして主導権を握る展開となるが、シュートはことごとくゴールの枠を外れる。前半はこのまま終わるかと思われた43分、FW御給選手がホームデビュー戦でいきなり結果を出す。中盤での細かいパスの交換から、FW飯塚選手がゴール前中央に走り込む御給選手にラストパス。御給選手は相手DFのプレッシャーを受けながらも、ゴール右隅に豪快にシュートを決める。
後半終盤に運動量が落ちてきたゼルビアは、琉球に再三攻め込まれるが、相手のシュートミスやGK修行選手のファインセーブで1点を守りきった。
試合後、戸塚監督は「前半は我々が狙いとするサッカーができた。後半はチャンスを決められずに相手ペースになった。後期は勝ちが先行しているなかで、選手は苦しい戦いをしている。さらに上のランクを目指すために、残り8試合でチームの成長を期待したい」と話す。
ゼルビアの印象について、FC琉球のトルシエ総監督は「ゼルビアは志の高いチーム。Jリーグ昇格を目指して11月にはスタジアムが改修されると聞いている。選手を比較すると琉球よりもゼルビアが強いということはないが、Jに上がるための具体的なプロジェクトが進んでいれば、選手は気概を持ってプレーできる。観客やサポーターはサッカーを分かっていて、チームをサポートしているからこそ、スタジアムの改修ができる。そのようなものの考え方は大切だと思う」と話す。
今節の結果、ゼルビアは順位を1つ上げて6位に。Jリーグ昇格条件4位までの勝ち点差を「1」に縮めた。4位以内でのJ加盟は、Jリーグ入会予備審査の結果が出ていないため未定。Jリーグ準加盟クラブの承認を受けた4チームのうち、ニューウェーブ北九州は4位以内ならJルーグ加盟可能、V・ファーレン長崎はホームスタジアムの確保、観客動員の不足などから来年の参入は不可という通知がJリーグから出されている。
次の公式戦は9月27日、東総運動場(千葉県)でジェフリザーブズと対戦する。