日本フットボールリーグ(JFL)後期第14節が11月6日、松本平広域公園総合競技場アルウィン(松本市)で行われ、FC町田ゼルビアは松本山雅FCに2対1(前半1対0)で勝利した。
山雅のホームスタジアム、アルウィンはJリーグ予備審査で認められた長野県所有の高規格総合球技場。収容人数は約2万人。2007年にはキリンカップの国際Aマッチが開催されている。今年のホームゲームの平均観客数は後期13節終了時点でJFLトップの4,781人。同2位の町田の3,602人を大きく上回る。
JFL順位はゼルビアが2位、山雅が6位。残り4試合、J昇格に望みをかける山雅にとっては一試合も落とせない状況。同じJ準加盟チームとして前期、山雅を6対1で圧倒したゼルビアにとっては来年の昇格ができなくなった「門番」としての意地を懸けた試合となった。会場には平均観客を超える6,396人が詰め掛け、ホームチームに熱狂的な声援を送る、完全なアウェー状態。
試合は序盤からゼルビアが優勢に試合を進める。前線でプレッシャーをかけ、ボールへの早い寄せで縦へと攻撃を仕掛ける。選手の動きが硬い山雅はパスが繋がらず、攻撃が機能しない。ゼルビアは16分、中央でボールを受けたFW勝又慶典選手がMF鈴木崇文選手にパス。鈴木選手が中央のスペースに折り返したところに勝又選手が飛び込み、ゴール右隅にシュートを決め先制。41分には山雅がチャンスを迎えるも、シュートはGK吉田宗弘選手の正面に。1対0で試合を折り返す。
ハーフタイム、山雅はスピードと突破力のあるFW木島徹也選手を投入。試合の流れを徐々に引き寄せる。すると後半54分、山雅のカウンターからのシュートがDF藤田泰成選手の腕に当たる。このプレーで藤田選手は退場。PKは吉田選手のファインセーブで防ぐも、続くプレーで山雅のMF木村勝太選手に頭で押し込まれ同点に追いつかれる。攻勢に出る山雅はMF今井昌太選手を投入、右サイドのスペース使った攻撃を仕掛ける。
10人で戦うゼルビアはシュートコースに体を投げ出すディフェンス、吉田選手のファインセーブの連発で追加点を許さない。すると75分、センターライン付近からドリブルで持ち込んだ勝又選手がゴールラインぎりぎりの角度のないところからのシュートを決め、2対1。その後も山雅の攻撃を耐え抜き、後半のワンチャンスを決めたゼルビアが勝利した。
試合後、ゼルビアの相馬直樹監督は「厳しい局面の多いタフなゲーム。一人退場者を出したことで難しい状況に追い込まれたが、選手たちが最後まで必死に戦い抜いた。プロとしてあるべき姿を最後まで見せてくれた。本当に誇りに思う」と話す。
次のホームゲームは11月14日、相模原麻溝公園競技場でブラウブリッツ秋田と対戦する。