文教地区・淵野辺にあるちょっと変わった食堂。入りやすそうでいて、鍵がかかっていてトビラが開かない。なぜ、こんな場所が誕生したか?「まちの不動産屋さん」2代目が、ここを舞台に巻き起こる人間模様を語る連載コラム。
淵野辺で創業43年となる不動産屋の二代目、池田峰です。日本で一番「味どう?」と聞いている不動産屋です。当社、東郊住宅社が運営する入居者向け食堂「トーコーキッチン」にまつわるエトセトラをお話しさせていただきます。
ある日、こんなつぶやきを見つけました。
心からフリーダムを満喫している様子がひしひしと伝わってきます。
彼はいったいどうしたというのでしょうか?
トーコーキッチンは、東郊住宅社が淵野辺周辺で管理する1,600室の賃貸物件にお住まいのみなさんに利便性と健康的な食生活を提供するための食堂です。そのため、年末年始の4日間(12月30日~1月2日)を除いて年中無休で営業しています。
営業時間は朝8時~夜8時です。いつでも気軽に立ち寄って食事を楽しんでいただきたいとの思いから、中休みは設けていません。また、その思いはトーコーキッチンでパーティやイベント、特定の人に向けた貸切利用なども受け付けていないことにも通じています。
そこで、先ほどのつぶやきです。
大学での授業や試験、サークル活動にアルバイトなど、日々精力的に忙しく過ごしていた彼にとって1ヶ月ぶり訪れた終日完全オフの日。思うがまま過ごした1日を反芻して充足感を増幅させたい願望がついに極限まで達し、そして、世の中に向けてつぶやいたのです。
それを見つけたボクは、すぐさま彼にこう返信しました。
「毎日がんばってるね。待ち望んでいた大切な休暇のプランに、トーコーキッチンで過ごす時間を組み込んでくれてありがとう。これからも、そう思ってもらえるよう精進します!」
入居者のみなさん、それぞれにとっての「日常」が当たり前のように存在します。そして、入居者のみなさんのそれぞれの「日常」はトーコーキッチンという空間でも育まれています。
そのため、「入居者向け食堂」であるトーコーキッチンでは、入居者のみなさんの「日常」がいつでも当たり前のように営まれることを大切にし、その環境を守り続けることを大事としています。トーコーキッチンの在り方として、わたしたちの内に秘めたこだわりです。
パーティやイベントは非日常的で楽しいですが、それが苦手な人もいます。貸切利用のお問い合わせも多くいただきますが、それによって利用できなくなる人が出てきてしまいます。
あくまでも、入居者のみなさんにとっての「日常」を第一に。
そんな思いで、今日もトーコーキッチンは運営されています。
ところで、トーコーキッチンがある淵野辺とはどんなまちなのでしょうか? やっぱり、交通の便が良いなど、沿線の中でも人気の駅にあるのでしょうか?
答えは「ノー」です。
実は、そこにトーコーキッチンが誕生したことによって生まれた変化があるのです。
でも、それはまた別のお話。