文教地区・淵野辺にあるちょっと変わった食堂。入りやすそうでいて、鍵がかかっていてトビラが開かない。なぜ、こんな場所が誕生したか?「まちの不動産屋さん」2代目が、ここを舞台に巻き起こる人間模様を語る連載コラム。
淵野辺で創業47年となる不動産屋の二代目、池田峰です。日本で一番「味どう?」と聞いている不動産屋です。当社、東郊住宅社が運営する入居者向け食堂「トーコーキッチン」にまつわるエトセトラをお話しさせていただきます。
ある日、こんなつぶやきを見つけました。
お目当てがトーコーキッチン以外だった様子がひしひしと伝わってきます。
彼女はいったいどうしたというのでしょうか?
大学が複数あり、学生が多く住む淵野辺。毎年、進学に伴って一人暮らしを始める学生を持つ親御さんからは新生活での食事への不安の声が聞こえていました。そこから着想を得て誕生したのが入居者向け食堂トーコーキッチンです。
わたしたち東郊住宅社が淵野辺エリアで管理する1,800室の賃貸物件入居者のみなさんに利便性と健康的な食生活を提供すべく、朝ごはんを100円、昼・夜のごはんを500円という料金設定にしています。
そこで、先ほどのつぶやきです。
2023年3月10日の午前8:33。フジテレビ系「めざましテレビ」の「なにわ男子なんでやねん」というコーナーで、ジャニーズ事務所のアイドルグループ「なにわ男子」のリーダー、大橋和也さんがリポーターとなってトーコーキッチンが紹介された直後のことです。大橋さんに元気をもらった彼女はその喜びを表現したい願望がついに極限まで達し、そして、世の中に向けてつぶやいたのです。
彼女のつぶやきは大橋さんへのメッセージが主なものの、わたしたちが提供する「食事」が親御さんの「安心」へと連想されています。
トーコーキッチンは毎日SNSでその日のメニューを更新し、それを見て、食べたかったらご来店いただき、その都度食べた分だけお支払いいただくシステムです。SNSは一般に公開されています。そのため、利用する入居者のみなさんだけはなく、離れて暮らす親御さんたちの多くもご覧になっているのです。「今日、ウチの子はどんなごはんを食べたのかな?」……なんて具合に。
ところで、トーコーキッチンの運営は大変なのでしょうか? やっぱり物価高の影響でメニュー開発もギスギスしている感じなのでしょうか?
答えは「ノー」です。
実は、そこにトーコーキッチンを運営する上での特別な喜びや面白味があるのです。
でも、それはまた別のお話。