有機栽培に取り組む日本の農家は0.4%と、ヨーロッパ(40%以上)に較べて圧倒的に少ない。町田市小山町で、遊休農地を活用した無農薬野菜の栽培に取り組む「おおるりファーム」の青木瑠璃さんが、日々の奮闘と収穫の喜びを伝える連載コラム。
先日、いきなりお電話をいただき、畑に遊びに来たいという方がいました。ここまではよくあることで、町田市でも農薬・化学肥料不使用で野菜を作っている方はあまりいませんので、飲食店さまを含め、連絡だけはたくさんあります。(※価格が見合わないため、あまり成立しませんが!)
農業に興味があるので、ぜひ畑に行って話をしてみたい、というご希望でしたので、とりあえずお会いすることになりました。彼が言うには、協生農法というものは素晴らしい、僕も感銘を受けていてその農法に関する知識を得たい、だからおおるりファームに来たのだそうです。
さて、ここで困ったことになりました!!!私、協生農法について何も知らなかったのです。それでも、あのう~私就農して4年以上も経っているわけですし、よもや知らないなんて言えるわけがありません、、、。
私はおおるりファームの農法について説明を続けました。「このように、草を積む、雑草と共生させるなどして必要最小限の肥料で野菜を生産しています。さらに、天敵というものがいまして野菜に着く虫は食べてくれる虫がいますのでバランスが取れているんです、、、etc…」だんだん通じているような??雰囲気になってきました。その日は、また手伝いにでも来たいのでよろしく、とその方は帰って行きました。
さて、デザイナー時代から出来ません、知りません、は禁句でしたので、今回も知らないなんて言えません。その夜には協生農法について出来うる限りの情報を集め、勉強しました。提唱者は、ソニーコンピューターサイエンスの舩橋真俊さんで、自然と協生する自然循環型農法で、環境を破壊しない持続可能な農法だそうです。
おおるりファームの農法と違う点は、肥料を使用しません、草を取りません、種は数種類混ぜて撒きます、生えてこないものはその土地に合わない野菜であると諦める、土着の野菜を育成する、といった点です。難しいなと思った一番の点は、土着の野菜を育てるということは、日本古来の野菜を育てるというところです。
実は、今スーパーに流通している野菜の中で日本古来よりあった野菜はほとんどありません。キュウリやナスはインドから、トマトやジャガイモはアンデスから、レタスや春菊はヨーロッパから、など数えたらきりがありません。ですので、もし日本古来の野菜を育てることのみを推奨しようということになりますと、うど、じゅんさい、ゼンマイ、つくし、フキ、ミョウガなどになりますので、とても肥えた現代人の味覚を満足させることは難しそうです。
否定するのは簡単ですが、受け入れるのは難しい。これは私が就農した時に評価する農業委員会に対して感じた壁でした。ですから私は協生農法の良いところを取り入れてみたい、そう思って少しづつですが実験をしてみようと思いました。ご縁があって共生農法を教えてくれた青年とは、一緒に考える畑を一部作り、別に私も独自に実験しています。
結果が良かったらまたお知らせします。?良くなくってもお知らせしろって???考えておきますね。写真は、雑草と協生させたキャベツです。
※共生と協生、私は同じ意味で使っていますが辞書の意味と異なる場合または、元気と元氣のように提唱者の意図があるかもしれません。
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