相模原市立博物館(模原市中央区高根3)で現在、市内緑区在住の造形作家・中島波樹さん(20)のミニ展示「究極のカブト・クワガタ」が開かれている。
紙で作られた原寸大の作品は、足先の爪やふ節が精巧に作りこまれ、後ろ羽は前羽の中に収まる。一見すると本物と見分けがつかない。1体の制作期間は1週間程度。下絵なしにペーパークラフト用紙を切り抜き、パーツを重ね合わせてはサンドペーパーで削り、組み上げていくという。
中島さんは幼稚園から切り絵を始め、本物の形を忠実に再現することに心血を注いできた。最近は塗料による多層コーティングによって、色合いだけでなく本物そっくりの質感を作り出すことに成功。中島さんを子どものころから知っているというペットショップ経営者は「初めて作品を見た時、とても驚いた。ただ似ているだけではなく、本物と同じように動かすことができる。作品がどんどんグレードアップしている」と話す。
作品の一般公開は今回が初めて。ダイスケギラファノコギリクワガタ、ニジイロクワガタ、ヘラクレスオオカブトなど21点を展示。同博物館学芸員の秋山幸也さんは「超絶技巧。多くの人に知っていただきたい」と話す。
「子どもたちが触って楽しめる作品を作っていきたい。次は水生昆虫やフィギュアなどに取り組む」と中島さん。
開館時間は9時30分~17時。月曜・祝日の翌日休館。入場無料。6月29日まで。