江戸時代の宿場町の面影を残す甲州街道の「小原宿」(相模原市緑区小原)で3月25日、老朽化が進む本陣の状況を知ってもらおうと地元有志がライトアップイベントを開いた。
ライトアップは、地域の歴史や自然を生かした町づくりに取り組む「小原宿活性化推進会議」が10年前から実施している。今年はクラウドファンディングを活用し、本陣の提灯を新調したほか、より多くの人に訪れてもらうためのPRポスターを制作した。
当日は、本陣で光明学園高校の生徒が和太鼓を演奏したほか、二胡(にこ)や筝(こと)の奏者も出演。竹灯篭と照明器具で甲州街道に建ち並ぶ古民家をライトアップして幻想的な空間を演出し、来街者に建物内を公開したり、茶や漬物を振る舞ったりしていた。「イベントをきっかけに、小原宿の魅力をより多くの方に知ってもらえたら」と関係者。
小原宿は甲州街道沿いの里山に囲まれた宿場町。神奈川県内で唯一現存する小原宿本陣は1700年代後半に建てられた、参勤交代で江戸と領地を往復する大名が宿泊する格式の高い宿。神奈川県指定重要文化財に指定され、相模原市が所有・管理している。老朽化が進み、完全な修復には4億円以上かかるという。