町田市立国際版画美術館(町田市原町田4、TEL 042-726-2771)は11月15日、ネット上の展覧会「ネットアーツ・オルグ2008」の選考結果を発表した。
「ネットアーツ・オルグ」は、インターネット上でのアーティスティックな表現の可能性を探る試み。6回目の開催となる今年のテーマは「ゴースト・イン・ザ・マシーン」。
世界各国から約40作品の応募があり、片山義幸さんの作品「conch」が大賞に選ばれた。日本人の受賞は12年ぶり。
片山さんは日本大学芸術学部映画学科卒業。2003年から、CGやビデオアート、グラフィックデザインを始めた。「conch」は初めてのインタラクティブ作品。「青空の下に広がる草原」「草原・雪原を踏みしめる人の足跡」「太陽の光をかざす手」「小石のおはじきの上を動く小人」「都市の雨」の5つの場面で構成される。
審査員のマーク・アメリカさん(インターネット・アーティスト、コロラド大学教授)は「conchは、穏やかで映画のようであってユーモラス。創造的な脚本の輝きによって、別の心理地理学の領域(another psychogeographical territory)に入るような感覚が得られる」と評している。
そのほかの入賞作品には、世界中の曇り空の写真を刻々と記録した「clouds of clouds」、フリッカーの画像からアーティストと似ている顔などを自動的に抽出するプロジェクト「self-portrait」、グーグル検索サイトを揺さぶる「thedisagreeinginternet」の3作品が選ばれた。これらの作品は「ネットアーツ・オルグ」の英語版サイトからリンクされている。日本語版サイトは12月中旬、公開予定。