風景版画の巨匠、歌川広重・小林清親・川瀬巴水の作品を集めた展覧会が現在、町田市立国際版画美術館(町田市原町田4)で開かれている。
コロナ禍で1年遅らせての開催。名所絵の第一人者・歌川広重、風景版画の系譜を継ぐ「光線画」の小林清親、「新版画」の川瀬巴水。国内外で高く評価される3人の作品を前後期で全作品入れ替え、計373点で紹介する。
見どころは、作品が比べられ並び称されてきた3人による江戸・東京風景画の比較展示。雨の新大橋・亀戸天神の太鼓橋・雪の芝増上寺などを題材に、街並みが変化する一方で3人が変わらない風景の側面をとらえていることに着目する。さらに、それぞれの絵師・画家の風景表現の魅力も深く掘り下げる。
「広重・清親・巴水の作品が一堂に介する展覧会はありそうでなかった待望の企画」と担当学芸員。「どこか懐かしい100年にわたる日本の風景を旅するようにご堪能いただければ」とも。
関連企画として、講演会、復刻浮世絵版木摺り体験、寄席、担当学芸員のスライドトークなどを予定。会期中の土曜・日曜・祝日などは原町田大通りのマツモトキヨシ前辺りから無料送迎バスを運行する。
開館時間は10時~17時(土曜・日曜・祝日17時30分)。前期=8月9日まで、後期=8月12日~9月12日。観覧料は一般900円、大学・高校生450円、中学生以下無料。月曜休館。