漫画家・浅野いにおさんの企画展「the personality of the city」が現在、町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4)で開かれている。
町田を含め小田急線沿線の街を舞台にした作品を手掛ける浅野さん。「ソラニン」で主人公は町田のライブハウスで演奏し、「おやすみプンプン」の主人公は町田の新興住宅街で暮らす。
浅野さんは、若者が心の奥底に抱える不安や葛藤、日々の暮らしの中で感じる疑問や怒りといった人間の複雑な内面を描くにあたって、作品の舞台や主人公が暮らす街の持つイメージを大切にしているという。
同展は、初期の連載作品から人気作「ソラニン」「おやすみプンプン」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」などのストーリーを約200点の原画やネーム、漫画に登場する街の風景写真によって読み解き、浅野さんの魅力に触れる。
担当学芸員の山端穂さんは「町田を舞台にした、『おやすみプンプン』と三浦しをんさんの『まほろ駅前多田便利軒』ともに群像劇で、登場人物が新興宗教の信者2世だったり、DV被害者だったりする。物語の進行は重苦しいが、希望や救いを感じさせる結末を迎える点で共通していると思う」などと話す。
観覧時間は10時~17時(金曜は20時まで)。関連イベントとして浅野いにおさんの対談、映画「ソラニン」上映会を予定。観覧料は一般=600円、大学生・高校生・中学生=300円、小学生以下は無料。12月25日まで。