町田を拠点に活動し酒造りにも取り組むアーティストのエリック・ボシックさんが5月28日、自ら経営する蜂蜜酒メーカーを通じて限定酒「Where Gods Descent(ウェア・ゴッズ・デセント)」を発売する。
蜂蜜酒は、蜂蜜、水、酵母を原料とする醸造酒。ビールやワインより歴史が古く、旧石器時代末に発祥した「人類最古の酒」といわれる。「神々が降臨する場所」を意味する商品名の同品は、北アルプスで採取した百花蜜にアルザス地方の酵母を合わせる。アルコール度数は13%、味は「ミディアムスイート」。
エリックさんは2017(平成29)年から酒造りに取り組み、2021年のミード(蜂蜜酒)国際コンクール「Mazer Cup International Mead Competition」2部門で受賞した経歴を持つ。2007(平成19)年から日本に定住し、モデルや俳優として活動。2010(平成22)年公開の映画「鉄男 THE BULLET MAN」で主演男優に抜てきされた。その翌年に訪れたチェコでミードに魅了され、研究に没頭。カリフォルニア大学デービス校でミードの醸造を学ぶとともに、日本で養蜂家に師事したという。
現在は町田市内の林で養蜂をしながら、さまざまな味わいのミードを発表。日本各地の蜂蜜に、フランスやポルトガルのワイン酵母、日本の清酒酵母などを組み合わせる。醸造は現在、「峰の雪酒造場」(福島県喜多方市)に委託。パッケージのデザインやウェブサイトの写真は自ら手がけた。
流ちょうに日本語を話すエリックさんだが、事業化は苦労の連続だという。「酒造りに関するルールは複雑だけれど、助けてくれる人もいる。養蜂場所の周辺は緑が多くて、都心からも近く、気に入っている。いずれは醸造免許を取得して、自分の醸造場をつくりたい」と抱負を明かす。
内容量は375ミリリットルで、価格は3,300円。120本限定。自社サイトなどで販売する。