相模原の生活介護事業所「一から百まで堂」(相模原市中央区相生4、TEL 042-707-4600)が11月29日、施設利用者が描いたアート作品をちりばめたオリジナルカレンダーの販売を始めた。
同施設は2013(平成25)年に開所。「まちのてしごと福祉施設」を掲げ、福祉を「施す」場所ではなく「生み出す」場所として、創作を介して地域や社会とつながる一面を持つ。運営は社会福祉法人アトリエ。現在は約20人が利用する。
カレンダーは同施設が毎年制作しているもので、月1回開く「描曜日」で利用者が描いた絵を中心に構成。表紙は重度脳性まひの大滝英史さんが手がけた。フリーペーパーの発行責任者でもある大滝さん。これまで精力的に執筆してきたが、いろいろな出来事が重なったタイミングなのか、「心が迷い中」だという。文章を書く代わりに、無心に手を動かして画面を埋め尽くすことで作品が生み出された。
カレンダーに配された作品一点一点に利用者の思いやストーリーが込められている。カレンダーを取りまとめた美大出身のスタッフ、齋藤奈緒さんは「描曜日をやってみて、いろいろな表現が出てくることが分かったのが、カレンダーを作ることになったきっかけ。それぞれの個性がカレンダーの中で、まとまっているように感じられるのが面白い」と話す。
判型はA4版でフルカラー16ページ。400部発行。価格は1,000円。同施設、ウェブサイトなどで販売する。施設の開所時間は9時~16時。日曜・祝日定休。