江戸時代以降に流行した子ども用錦絵を一堂に集めた「鈴木コレクション おもちゃ絵の世界」が10月25日、玉川大学教育博物館(町田市玉川学園6、TEL 042-739-8656)で始まった。
おもちゃ絵は、江戸後期~大正時代に流行した一枚ずり・多色刷り木版画で、子ども用錦絵の一種。種類は多様で、ハサミで図を切り取り、風景や芝居舞台を組み立てる組上燈籠(とおろう)絵のほか、着せ替え絵、紙相撲、メンコ、カルタ、絵合わせ、福笑いなどのように玩具・遊具として使用するものや豆本、絵巻風に仕立てて観賞するものなどがある。
玉川大学教育博物館と松竹大谷図書館に所蔵されているおもちゃ絵(鈴木コレクション)を2期に分けて紹介する同展。I期は、同館が所蔵する組上燈籠絵・物尽くし絵などの実物資料約90点と複製による完成品約40点を展示。II期は、同図書館が所蔵する「金閣寺」「伽羅先代萩」「加賀見山旧錦絵」などの歌舞伎関係の実物資料約90点と複製による完成品約60点を展示する。
「おもちゃ絵は、その性質上切り刻まれるものが多いため現存するものが少なく、保存状態のよい鈴木コレクションは極めて貴重。美術史や文化的な面からみても価値のある資料が多数含まれる」(同館担当者)。
開催時間は9時~17時。会期は、I期=10月25日~12月3日、II期=12月10日~2011年1月28日。土曜・日曜休館(大学祭期間中などは開館)。入場無料。会期中には講師による講演会や学芸員によるギャラリートークも予定する。