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北里大学相模原キャンパスに「ミニ水族館」-被災した三陸から移転

北里アクアリウムラボのオープンキャンパスには多くの高校生が訪れた。

北里アクアリウムラボのオープンキャンパスには多くの高校生が訪れた。

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 東日本大震災の影響で相模原キャンパスに移転した北里大学海洋生命科学部(相模原市南区北里1、TEL 042-778-7905)が7月末、ミニ水族館「北里アクアリウムラボ」をオープンした。

シロチョウザメの常設展示

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 水族館や博物館の職員を目指す同学部の学生が自主的に立案、企画、運営する同館。当初、三陸キャンパス(岩手県大船渡市)で展開する予定だったが、東日本大震災で被災したため5月に相模原キャンパスへ移転、新たにオープンした。

 ラボでは大学で研究している生物を中心に展示し、図鑑で調べればわかるような基本情報だけではなく、研究で得られる内容を紹介する独自の水族館作りを意識。一般にも広く楽しんでもらえるよう工夫し、「訪れる度に新しい発見がある水族館を目指す」という。

 同大講師の三宅祐志さんは「飼育研究を一般公開するミニ水族館。通常の水族館では見る機会が少ない生物を中心に展示している。学生には自分の研究を分かりやすく説明する力をつけてほしい。相模原は三陸と比べて気温が高く、海水が手に入りにくい環境。自然に甘えずに飼育する力も身につくと考えている」と説明する。

 常設展示はクラゲ、深海生物、サンゴ、チョウザメなど。各地の水族館や研究施設の協力で生物を集めた。

 8月27日のオープンキャンパスでは、「夏」をテーマにした企画展を開催。夏の山から海までの生態系のつながりを意識した内容で、山、川、田、池、海の水槽を順に並べ、それぞれの生物を展示。「山が豊かであると海も豊かになる」という自然の流れを見せた。学生スタッフは見学に訪れた高校生に対して熱心に説明していた。

 齋藤圭祐さん(3年)は「企画書を書き、メンバーで議論してから展示物を決める。『好きだから』という理由では却下される。説明の難しさを感じるが面白い。企画展の生物は相模原周辺で採取してきた。展示パネルでは、展示に至るまでの裏話も盛り込んだ」と話す。

 同館は、今後も季節やトピックに合わせて企画展を実施する予定。「隣接する北里大学病院の待合室にクラゲを展示する企画なども考えている」(三宅さん)。

 開館時間は10時~16時。日曜休館。一般見学は同学部事務局への事前連絡が必要。

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