関東サッカーリーグ2部の最終節が9月25日、三増運動公園陸上競技場(神奈川県愛甲郡愛川町)で行われ、2位のS.C.相模原が首位のエリースFC東京を3対2で破り、逆転優勝を果たした。
相模原は今季序盤でつまずき5位にまで落ちたが、クラブ代表の望月重良さんが監督に就任するとチームは立ち直り、最終節に自力優勝の可能性を残した。相手は首位のエリースFC東京。優勝の条件は「勝利」。
試合は、相模原がパスをつなぎ積極的に攻撃を仕掛ける。引き分けでも優勝のエリースは守備を固め、少ない手数でカウンターを狙う。シュート数で上回る相模原がやや優勢に試合を進めるなか、21分、エリースが相模原DFライン裏へのパスを通すとキーパーとの1対1を決めて先制する。予想外の展開に多数の相模原サポーターが詰めかけたスタンドが静まり返る。
しかし相模原は29分、右サイドからのセンタリングをファーサイドで受けたMF水野和樹選手が豪快に蹴り込み同点に。1対1で試合を折り返す。
後半開始早々、再び水野選手がゴール正面からのシュートを決めて逆転するが、エリースは1分足らずで同点に追いつく。その後は互いに決定機をつくることができず、こう着状態になる。すると望月監督はFW齋藤将基選手を投入。その直後の81分、相模原は左サイドでボールをつなぐと最後はFW松本祐樹選手が決勝点となるゴールを決めた。
試合後、望月監督は「勝ったほうが優勝ということで、お互い緊張のあるゲームができた」と話す。さらに今季のリーグ戦について、「最初は結果がついてこなくて監督を代えた。変化をつけた中で選手はよく頑張ってくれた。レベルが違っても簡単に勝てない、手こずるということをこのリーグを戦ってすごく実感した」と振り返る。
相模原はJリーグ入りを目指す準加盟チームとして、JFL昇格を懸けて戦う全国地域サッカーリーグ決勝大会(地域決勝)に優先枠で出場する。10月には前哨戦となる全国社会人サッカー選手権大会(全社)を控える。「今日の優勝で毎年カテゴリーを1つ上げるという最低ラインをクリアできた。この勢いを生かしてJFLに上がれれば」(望月監督)。
「昨年とは選手のメンタリティーが違う。地域決勝に向けて良い形で全社に臨みたい。昨年の地域決勝を戦って、力だけではなく運も必要だと感じた。連戦のなかでは、警告やけがもある。チームが一つにならないと勝てないし、一つになったとしても勝てないことがある。まずは目の前の試合で全力を尽くすことが一番」とも。
S.C.相模原の次の公式戦は全国社会人サッカー選手権大会。六花亭マルセイズFCと10月15日、浅中公園総合グラウンド陸上競技場(岐阜県大垣市)で対戦する。