FC町田ゼルビアユースが、今月22日(水)から開幕する第39回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会に参加します。ユースが全国舞台でプレーするのは、前身のFC町田から数えて17年ぶり、ゼルビアと名前が付いてからは、初めてとなります。クラブとしては、まさに偉業を達成してくれた選手たちに、本当に感謝しています。
今回、読者・市民の皆様に、ユース選手の頑張りを知っていただき、応援いただきたいので、ここまでの道のりを簡単に説明いたします。
ゼルビアユースはT4という東京都リーグに所蔵しています。ユースのカテゴリーで言えば、トップのプレミアリーグを1部とすると、プリンスリーグ、東京都1部のT1、同2部のT2、同3部のT3、そしてT4と続き、つまりゼルビアは実質全国6部のチームでした。
そんなチームが、竹中穣監督のもと、関東予選で快進撃を果たします。初戦で2部相当・プリンスリーグの浦和レッズに0-0で引き分け、第2節では何とプレミアリーグの鹿島アントラーズに2-1で勝利しました。第3節では千葉SCに5-0、第4節では栃木SCに3-2で勝ち、最終節のヴァンフォーレ甲府に1-1で引き分け。5試合を3勝2分でグループ2位となり、全国大会の出場権を獲得しました。
竹中監督によると、この関東予選で選手たちは「常に前向きにサッカーに取り組み、アグレッシブな戦いをしてくれた。本当に1試合1試合たくましく成長してくれた」とのこと。実は、今回のゼルビアユースは、昨年のチームでは出場経験がほとんどない選手ばかりでした。そんな選手たちが、竹中監督が求めた「攻守にハードワークする」「戦う気持ちを前面に出す」ということを最低限とし、全員攻撃全員守備の連動したサッカーを体現したことで、全国切符をつかんだわけです。
ここで、ゼルビアの育成についても説明させてください。この話なくして、今回の快挙はありませんでした。
ゼルビアのホームタウンである町田市は、かつてサッカー少年の街と呼ばれ、北澤豪さん、林健太郎さん、戸田和幸さんをはじめ、近年では大前元紀選手(清水エスパルス)、太田宏介選手(FC東京)、小林悠選手(川崎フロンターレ)らの日本代表選手を輩出しています。太田選手はFC町田ゼルビアジュニアユースの出身です。前身のFC町田時代にはジュニアが全国制覇、ジュニアユースが全国2位に輝くなど実績を残しています。
しかしながら、1993年のJリーグが誕生後、トップチームはJリーグに参戦できなかったこともあり、町田育ちの人材が各所に流出。ゼルビアとして、育成年代での成果が得られていませんでした。
2012年にJ2に初昇格したのを機に、育成組織を改善。アカデミーダイレクターに東京ヴェルディユースで2年連続日本一に輝くなど実績があった楠瀬直木を招聘。現在はU-16女子日本代表監督も務める育成のスペシャリストのもと、スペインでコーチングライセンスを取得した徳永尊信をジュニアユース監督へ、そして2013年からはゼルビアのトップチームで長らくコーチを務めていた竹中穣をユース監督に据えました。
トップを知る指導者の下で強化を図るとともに、トップチームもJリーグに参戦したことで、少しずつ有望な人材が町田に集まり、またジュニアユースの選手たちが高校のサッカー部に行かず、残留してくれるケースが増えました。近年、選手育成の歯車が良い形で回りかけてきたのです。
今のユースチームについては、竹中監督の就任から3年目が経ちます。つまり高校1年生のときから指導してきた選手たちが着実に成長し、今回ひとつの成果を出した形です。
ゼルビアとしては、今回の全国大会出場は、一過性で終わらせず、次のステージへの大きなステップとしなくてはなりません。楠瀬直木アカデミーダイレクターは「今回、選手たちはよくやってくれました。これを次につなげないといけません。ゼルビアでは育成で次のような目標があります。まずはトップチームに毎年、選手を送り出せるような組織になること。そして2020年の東京五輪のメンバーを輩出すること。そのためにも、今回の選手の頑張りを糧に、クラブとして努力を重ねていきたいと思います」と話しています。
全国大会での意気込みについて、竹中監督は「これまで全員攻撃・全員守備というのを掲げ、自分たちでアクションを起こすサッカーをやってきました。全国の舞台でもアグレッシブなサッカーをしたいと思います。選手たちと共に、町田、ゼルビアの名前を広められるように頑張ってきたいです」と語り、目標については「うちは一つひとつを見て戦っています。なので、まずは全国1勝です。その積み重ねで、決勝トーナメントにいければと思っています。選手と一緒に、町田らしく戦ってきます」としています。
詳細はあとで一覧としますが、22日に開幕する第39回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)では、ゼルビアは名古屋グランパス・モンテディオ山形・横浜FCとともにA組に入っています。昨年のJユースカップでは、名古屋には引き分け、横浜FCには勝利しています。キャプテンの加倉井を中心とした組織力、2年生ながら司令塔青木ら攻撃陣も力を発揮してくれれば、全国でも“ゼルビア旋風”を起こせる可能性はあると信じています。選手のことはぜひ、プロフィールなどを見て下さい。
皆様どうか、ゼルビアユースの応援をお願いします。そしてユースに負けず、ゼルビアトップチームもJ3リーグ優勝を目指して頑張ります。ジュニアユースやスクールも含め、何卒これからも“ゼルビアファミリー”をよろしくお願い申し上げます。
■第39回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の組合せ
□組み合わせ
Aグループ:FC町田ゼルビア・名古屋グランパス・モンテディオ山形・横浜FC
□日程
第1節 7月22日(水) vs名古屋グランパス
9時00分 前橋総合運動公園陸上競技・サッカー場
第2節 7月23日(木) vsモンテディオ山形
11時30分 前橋市下増田多目的運動広場
第3節 7月25日(土) vs横浜FC
9時00分 NTT図南グランド
大会概要はこちらをご覧ください。
■平成27年度日本クラブユースサッカー選手権関東大会2次リーグ
□戦績
2次リーグCグループ
3勝2分
第1節
浦和レッズ△0-0
第2節
鹿島アントラーズ○2-1
第3節
千葉SC○5-0
第4節
栃木SC○3-2
第5節
ヴァンフォーレ甲府△1-1