FC町田ゼルビアは万博記念競技場でガンバ大阪と対戦。町田が先制してはG大阪が追いつく一進一退の展開を繰り返したが最後はG大阪 遠藤保仁のFKが決まり2対3で町田は敗れた。
G大阪にペースを握られるもショートカウンターからG大阪ゴールを脅かしはじめた町田は27分、平本一樹の突破から得たPKを北井佑季が決め先制。しかし38分にミスからショートパスで崩され失点し1対1で前半を折り返した。後半に入り56分に勝又慶典のポストプレーから鈴木崇文の見事なミドルシュートが決まり再びリードするも65分、CKからまたしても同点に追いつかれてしまった。そして80分、遠藤のFKが決まり試合は決着した。
今季J1で最多得点を誇ったG大阪の攻撃を凌ぎながらカウンターからのチャンスを活かしゲームを進めた町田に新しい可能性を感じることができた。
秋田豊新監督は 「カウンターやフィジカル面で延長までいくつもりでトレーニングしてきた。途中まではプラン通り戦うことが出来たが、最後に個の力でやられてしまった」と話した。秋田監督は67分、天皇杯を最後に引退する津田和樹に「お前のサッカー人生をかけてプレーしてこい」と送りだした。試合が終わり津田は「オーバーラップなど自分の持ち味の全てを出し切ることはできませんでした」と苦笑い。試合が終わった瞬間は「このチームでもっと試合がしたかったので負けて悔しい気持ちで一杯でした」と振り返った。
津田をはじめチームを離れる選手たちがいる。彼らの功績もあり念願のJ2に昇格し、Jリーグで戦えることの可能性を感じさせてもらえた。これで今季は終わった。
ありがとう、FC町田ゼルビア。
11月25日、FC町田ゼルビアはマリノスタウンで横浜F・マリノスとトレーニングマッチを行った。天皇杯のガンバ大阪戦にむけて先週のFC東京に引き続きJ1チームとの対戦。
スターティングメンバーはGK修行智仁、DF三鬼海・田代真一・加藤恒平・大竹隆人、MF鈴木崇文・太田康介・庄司悦大・柳崎祥兵、FW鈴木孝司・勝又慶典の4-4-2。
柳崎ら中盤での運動量豊富な動きでリズムをつかんだ町田は13分、勝又のクロスから鈴木崇のボレーシュートで先制すると23分には鈴木孝が追加点をあげた。後半J1の底力をみせたFマリノスに3失点し、2対3で試合を終えたがメンバー交代やフォーメーションを4-1-4-1に変更したりと有意義なトレーニングマッチになったようだった。
2戦目となるJ1チームとのトレーニングマッチを終え楠瀬直木監督は「先週や今日のように拮抗した点差の中で試合を進めていくことに意義がある。今までなら気付かない失点に繋がってしまうミスや、個の差、スピードを感じることもできた」と話した。また、選手には丁寧にコーチングをする監督だが「少しずつ積極的に動き出して選手同士コミュニケーションをとれるようにはなってきたが、まだ指示待ちのところがある。自ら気付いて動き出せるようになればもっと上手くなれる選手たちだと思う」と期待を表した。
「田代を動かすぐらいの気持ちでやれ」と監督から言われた加藤は「コミュニケーションをとる機会は増えてきた。ガンバには素晴らしいFWがたくさんいるので対戦は楽しみ。全部止めるつもりで臨みます」と意気込みをみせた。
再びJリーグで戦える町田になるために、この天皇杯が来季へ向けたスタートの大きな一歩となってほしい。
アルディレス監督の退任を11月17日に発表したFC町田ゼルビア。翌日の18日、暫定的に指揮をとることになった楠瀬直木アカデミーダイレクターのもと小平グラウンドでFC東京とトレーニングマッチを行った。
スターティングメンバーはGK修行智仁、DF三鬼海・薗田淳・田代真一・加藤恒平、MF鈴木崇文・太田康介・庄司悦大・ドラガンディミッチ、FW勝又慶典、鈴木孝司の4-4-2。
前半13分、庄司の縦パスから鈴木孝司が先制するも、その後2失点。後半、勝又、鈴木崇のゴールで逆転したが終了間際にセットプレーからゴールを許し3対3のドローで終了した。
暫定的ながら就任後すぐのトレーニングマッチを終えた楠瀬監督は「今のコンディションや選手のポテンシャルを確認したかった。試合が終わった後の選手の顔つきをみて、もっといろいろと要求してもいいかなと感じた」と話した。リーグ戦で出場の機会が少なかった庄司の起用については「彼は大学で活躍していたときからのファンでした。庄司を含めて若い選手は短い期間で力がグンと伸びるので、きっかけを与えてあげたい」と笑顔をみせた。
その庄司は「自分のところでボールを落ち着かせてリズムを作りたかったけど、まだまだです。町田のパスサッカーはこれからも変わらない、自分が中心になってやっていきたい」と話した。
天皇杯4回戦、ガンバ大阪戦に向けてチームは動きだした。
J2リーグ最終節。ホーム野津田で、FC町田ゼルビアの残留をかけた最後の相手は湘南ベルマーレ。勝てばJ1昇格へ可能性がある湘南は厳しい相手だが、町田もケガ人らが戻りベストのメンバーで試合に臨む。さらに、選手バスの到着時には「皆の夢を未来につなげ」などの段幕を掲げた多くのサポーターが大声援で迎え後押しした。
すべてをかけた試合だったが開始2分、今季を象徴するように早い時間に失点をした町田。その後、田代真一が再三オーバーラップした反撃も実らずに0-3で敗れ最下位が決定した。
アルディレス監督は「選手はすべてを出し切った。悔いはありません。今日の、リーグの結果について謝らなければいけないのは私だ」と話した。
ゲームキャプテンとしてチームを引っ張り、今日は攻撃でも駆け上がり続けた田代は「ディフェンダーとして失点に責任を感じているし、負けている状況の中で自分でも何とかしたかった。最下位となってしまったのが今の自分の力です」と固い表情を崩さなかった。
負けられないというプレッシャーと戦い続け、そして最下位となってしまったことは受け入れ難い事実に違いない。悔しさは我々の想像も出来ないものだと思う。
セレモニーでは涙が止まらなかった勝又慶典。「雨の中でも最後まで応援してくれたサポーターに申し訳ない。悔しいし情けない、いろいろな思いが重なって言葉にならなかった」と振り返ったが「僕たちは最下位になったままでいるわけにはいかない」と語った。
JFLの動向次第でまだ降格は決まってはいないが、町田のJ2でのチャレンジの1年は幕を閉じた。田代が話したように今の力を認め受け入れたところから新しい町田のチャレンジが始まる。勝又が話したように町田はこのまま終わるチームではない。町田の繋ぐサッカーは今年結果を残せなかったが、最後まで貫いたことは評価する。この町田のサッカーを進化させる新しいチャレンジをこれからも応援したい。
前節ホームでFC岐阜を下し残留への道を繋いだFC町田ゼルビア。元日本代表の鈴木隆行を要する水戸ホーリーホックとアウェーでの戦いは1対1のドローに終わった。
立ち上がりから水戸の攻撃を受ける形となってしまった町田。26分にはクロスをフリーであわされたが、枠を外れ水戸のミスに助けられた。前に出ようにも厳しいプレスに苦しむ。しかし、28分に左サイドで平本一樹のドリブルからCKを得たところから徐々に攻撃のリズムをつかみ始めた。そして43分。平本のクロスをあわせた北井佑季のシュートは一度GKに弾かれたものの、こぼれ球を再び北井が押し込み待望の先制点を奪った。
ホーム最終戦となる水戸は後半も前半同様に攻勢にでると、59分に水戸のCKから鈴木隆にヘディングシュートを決められてしまった。その後も幾度と猛攻にさらされたがGK修行智仁のセーブなどでしのぎ、カウンターからチャンスをつくったが得点には到らず無念のドローとなった。
試合後、アルディレス監督は「生き残るための勝ち点1をとることはできた。最後まであきらめない」と話した。
そう、町田の試合終了時点ではわからなかったが、岐阜もドローに終わり勝ち点差は3のまま、富山と鳥取は敗れたために差は4から3に。鳥取には得失点差では優位に立っている。「道」はまだ閉ざされていない。厳しい道のりだが残留というゴールに繋がっている。
3バックの右サイドで体を張った薗田淳は最終節に向け次のように語った「この厳しい状況を受け止めて、最後まで自分達らしく戦い抜きたい」。町田らしく道を駆け抜けろ。
ホームでFC岐阜との直接対決。1つ上の順位である岐阜との勝ち点差は6。残り3節、今日負ければ降格圏が決定してしまう絶対に勝たなければいけない試合はドラガンディミッチのゴールで1対0で勝利した。J2残留へ、残り2節に全てをかける。
お互いに慎重なゲーム運びとなり0対0で迎えた後半、先に動いたのは町田。加藤恒平、下田光平の両者に替えて勝又慶典、幸野志有人を投入し攻撃的な布陣に変更した。効果はすぐにあらわれ46分。左サイド、勝又からのクロスをフリーになったディミッチがゴールを決めた。
主導権を握り、その後もチャンスを作ったが76分、三鬼海がこの日2枚目のイエローカードで退場し10人となり苦しくなった町田。しかし岐阜に決定機すら与えずに守りきり、残留への望みを繋ぐ勝ち点3を手にした。
ゴールを決めたディミッチは「カツ(勝又)のクロスのおかげ。あと2試合、次もその次も勝って来年もJ2でプレーする」と笑顔をみせた。
イエローカードの判定には不満の残るところではあるが…。人生初のレッドカードをもらい、退場後はロッカールームで試合の結果を待った三鬼。「終わるまで時間が長かった。歓声がわく度に気になってしょうがなかったです。勝って解放されました」試合後のチームメイトを涙顔で迎えた。次節も出場停止となるが「次節は精一杯応援します。そして最後は最高のコンディションで試合にでたいです」と安堵の表情で話した。
勝たなければいけない試合に苦境をむかえながらも勝利した町田。これ以上ない成長、勢いを得たであろう。最後に笑顔でピッチに立っているのは我らがFC町田ゼルビアだ。
残留争いをするFC岐阜戦を次節に控えて絶対に勝たなければいけないホームでの愛媛FC戦。勝たなければというプレッシャーに飲み込まれたFC町田ゼルビアは2対4で惨敗した。
開始4分、カウンターからのクロスに対応できずに失点。13分にも中央を縦パス1本で崩され早くも2失点となってしまった。18分にセットプレーから太田康介のヘディングシュートが決まりリズムを取り戻すかと思われた。しかし、いつものポゼッションサッカーはみる影をひそめた。
前に繋げずに後方からのロングボールを多用するようになると守備も後手にまわる町田。59分にもこぼれ球を押し込まれ3失点目。75分にセットプレーから、またもヘディングで太田が2点目をかえすが84分カウンターから4点目を奪われた。
攻守において全てがちぐはぐだった。「最下位というプレッシャー、勝たなければいけないというプレッシャーが逆に働いてしまった」と試合後に話したアルディレス監督。「勝たなければいけない試合に負けてはしまった。が、だからといって降参するつもりはない」とも語ったが、次節までにどのように修正してくるのだろうか。
気持ちが先行してしまった。選手同士の距離感がチームとしてまとまらずに一人一人の思いで駆け回っていた。中盤の底をつとめた下田光平は「試合中には冷静に話し合えなかった。明日からはみんなで話して修正しなければいけない。このような状況だからこそ互いに冷静になることが必要。チームのスポーツですから」と話した。
町田のサッカーを思いだしてほしい。自信を持って、恐れることなくポゼッションサッカーを貫いてほしい。
前節、残留争いをする富山をくだしたFC町田ゼルビア。今季初のホームでの連勝を飾り、浮上の勢いを掴むために臨んだ大分トリニータ戦。幸野志有人のプロ初ゴールで同点に追いついた町田だが、昇格争いをする大分に1対3で敗れた。
立ち上がりから大分の激しいプレスにボールを前に運べない町田。奪っても奪われる展開が続き苦しい流れを断ち切れない。GK修行智人からのパスをカットされ前半14分に早くも失点を許した。
流れを変えるため、3バックから攻撃的な4バックにすると徐々にリズムを取り戻し始めた。すると32分、左サイドで起点を作った津田和樹からのパスを受けた幸野が右足を振り抜いた。シュート回転のかかった弾道は綺麗にゴールに吸い込まれた。
同点に追いつき、さらには逆転へと期待の高まる中、前半ロスタイムに大分の早いリスタートから痛恨の失点。後半早々に平本一樹と勝又慶典を同時に投入し再度追撃をはかったが、大分のプレスに最後まで苦しみ得点を奪うにはいたらなかった。
試合後、アルディレス監督は「大変悪い試合になってしまった。あたかも大分のフィジカルが上回っているようだった。ボールを持っているからといって主導権を握っているとは言えない」と振り返ると、次節に向けて「ゴールを考えたボール運び、ポゼッションをゴールに向かうものにしていかなければ」と話した。
得点をあげたものの、敗れた悔しさを表す幸野は「負けて悔しい、2点目3点目を取れる選手にならないといけない。相手にとって怖い選手にはならなかった。下を向いてる暇はない」と語った。
下を向いてる暇はない。とにかく得点を奪わなければ勝ち点3は取れない。勝つしかなくなった町田にチャレンジという言葉は妥当ではないが、負けることを怖れずにゴールに向かい続けて欲しい。幸野には相手の息の根をとめるまでシュートを打ち放ってもらいたい。
残り8節。残留争いをするカターレ富山をホームに迎え、絶対に勝たなければいけない重要な試合となった。
開始早々の5分に先制点を許し厳しい展開となったが、13分にドラガンディミッチのシュートからオウンゴールですぐさま追いつくと45分にイ・ガンジンのミドルシュートで逆転。
84分には太田康介のヘディングシュートが決まった。ロスタイムに失点したものの3対2で富山を破り大きな勝ち点3を手に入れた。
逆転ゴールを決めたイ・ガンジンは「3週間ぶりの復帰で体はまだ重い」と話しつつも富山FWの黒部とのマッチアップでは、お互いに前半にイエローカードをもらいながらも激しい競り合いの中で駆け引きを制し手応えを得たようだ。ミドルシュートについては「雨も降っていたし枠に飛べば何か起こると思った。ただ自分が点を取れたことよりも試合に勝てたことのが嬉しい」と勝利をかみ締めた。
貴重な3点目をあげた太田康介。セットプレーからの得点だが、そこには平本一樹のお膳立てがあった。平本が右サイドで体を張り粘って得たFK。そしてゴール前で平本と会話を交わした。「平本さんがDFをブロックするから飛び込めと言ってくれた。ディミッチも良いボールを蹴ってくれたのであわせるだけでした」と振り返ったが、重要な試合で追加点を奪い、サポーターの前に走り込み喜びを爆発させた。
今日の勝利に酔いしれることなく太田は決意を表した「順位はまだ変わっていない。ひとつでも多く順位を上げれるように残り試合を全力で戦う」
「今日の勝利はサポーターに捧げたい」と語ったアルディレス監督。残された試合が歓喜で沸き続き最後に残留を、さらにはJ2から飛躍していくチームになることを信じたい。
ホームでのファジアーノ岡山戦。第3節の鳥取戦以来となる勝又慶典のゴールでリードした町田だったが、終了間際に同点に追いつかれ2対2のドローに終わり惜しくも勝ち点3を取り逃がした。
前半、後方でのポゼッションから思うように前へボールを運べない町田は、19分に岡山の激しいプレスからボールを奪われ先制を許すとその後も攻撃のリズムをつくることができない。その流れを変えたのが「このままではいけない、何かしなければいけなかった」と感じたアルディレス監督の思い切った采配だ。
26分に津田和樹とコリンマーシャルを同時に下げ、勝又慶典、鈴木崇文を投入し、システムを3-5-2から4-4-2に変更。岡山の影山監督も「想定外の交代だった。我々の守備のシステムがはまらなくなってしまった」と語ったこの交代で町田が息を吹き返した。
後半さらに勢いを増した町田はついに55分、鈴木崇のコーナーキックから太田康介のヘディングシュートで同点に追いつくと61分にはエース勝又の絶妙なトラップからのシュートで逆転した。勝又は「ゴールのシーンはあまり覚えていないが、DFを背負っていたのでファーストタッチではゴールに向かわなかった。結果上手くDFをかわせた。3点目も取る気はあったが交代で全体がディフェンシブになってしまった」と振り返った。
リードした64分に北井佑季に替え、薗田淳を投入して4-4-2から再度3-5-2に変更して今度は守りを固めた。しかし86分、左サイドからのロングボールを岡山の金民均に合わせられ失点し、エースの復活弾を勝利で飾ることは叶わなかった。同点弾をあげた太田康介も「後半は前からのプレスをかけられなかったのでラインが下がってしまった」と2失点目を悔やんだ。
あくまでも結果論だが、前半の交代が巧を奏したばかりに後半の北井から薗田への交代で守備への意識はより強まってしまったのか。勝ちたい気持ちのベクトルが守ることに向かってしまった。J2での町田にとって逆転してからのリードを守る展開は、追いつかれはしたが貴重な経験となったに違いない。エースの復活弾という勢いを断ち切らずに次への戦いに臨んでほしい。
前節のジェフユナイテッド千葉戦で17試合ぶりの勝利をつかんだFC町田ゼルビア。ホーム野津田では3月20日以来となる勝利を、そして連勝をかけて徳島ヴォルティスと対戦した。前半37分、FKを鈴木崇文が直接決めて先制すると徳島の猛攻をしのぎ1対0で勝利。ついに野津田が歓喜にわく日が訪れた。
静かな立ち上がりとなったが、丁寧なポゼッションからリズムをつかんだ町田。16分、左サイドを崩してのクロスから勝又のシュート。18分には中央をショートパスで繋いでからコリンマーシャルのミドルシュートとチャンスを作った。
そして迎えた37分、ドラガンディミッチがゴール正面で得たFK。「落ち着いていて入る気がした。イメージどおり右上に蹴ることができた」と喜びを語った鈴木崇のFKが綺麗に徳島ゴールに吸い込まれた。
1点リードで前半を折り返し、後半徳島の攻勢は予想できたが、それでも徳島の攻撃を受ける時間が長すぎた。しかし、徳島に決定機を作らせずに無失点で抑え勝利を飾った。後半から投入された徳島のアレックスの対応に追われた加藤恒平は「縦を切るか中を切るか迷ってしまったところはあったが、千葉戦からの積み重ねもあって失点する感じはしなかった」と振り返った。
勝利以上に自信をつけられるものはないだろう。これから熾烈になる残りのリーグ戦を戦う上で、連勝は大きな力となることは間違いない。この自信を糧に、リードをしても町田のパスサッカーを発揮しポゼッションする時間を持つこと、2点目を奪うパターンを作ることに期待したい。
「ホームでサポーターに勝利を届けることができてよかった。ただ順位はまだ下位、現実を見据えて次からの戦いに繋げなければならない」と、常にチームを鼓舞し続けてきた太田康介が明日からも勝利のために町田を牽引していく。
ホームでの京都サンガF.C.戦。京都に2点のリードを許すものの諦めずに戦う町田。88分に北井佑季がゴールを決めると、より攻勢を強めた。ロスタイムに得たFKではGKの修行智仁まで前線に上がるも、ゴールを奪えず悔しい敗戦となった。
自陣でのミス、京都の縦への速い攻撃からピンチを招くも修行のセーブで凌いできた町田だったが45分、そのミスから中央を割られ失点。53分には左サイドからのクロスを合わされ追加点を許した。するとアルディレス監督は直ぐさま56分に北井を、その後も勝又慶典、庄司悦大と立て続けに投入した。
北井のドリブル、勝又の存在感で町田は攻撃の勢いをつかんだ。そして、右サイドから中央へドリブルで切れ込んだ北井と太田のワンツーからついに京都のゴールをこじ開けたが同点弾までには至らなかった。
次節に向けて太田は「奪っても奪われる展開が続いてしまったのが課題です。選手間で話し合って意思統一をしたい」と話した。北井へのアシストについては「自分で打つ選択肢もあったが、大声で呼ばれたので出してしまいました」と振り返った。
攻撃の活路をつくり、ゴールを決めた北井は「ボールを持った瞬間にゴールへのイメージが出来ていた。大声で呼んでいたかは覚えていないけど返して欲しい気持ちが強くて叫んでいたのかも」しかし「結果は負けなので得点した感じはしません」勝利に繋がるゴールを決めたいと語った。
パスサッカーの中でドリブルという武器を持ち合わせた北井の活躍が町田を勝利に導く日はきっと来るだろう。
ホームでのヴァンフォーレ甲府戦。薗田淳、勝又慶典が復帰したFC町田ゼルビア。後半には再三決定機を作ったが得点には繋がらず0対1で敗れた。
「前半は(甲府の)ダヴィを警戒しすぎたわけではないが、ラインが低くなりすぎた」と加藤恒平が話したように中盤との距離が空きすぎたのかポゼッションでのパスミスを連発。そして16分にそのパスミスからショートカウンターを受けダヴィに先制された。
「初のコンビだが、考える前に体が動くようにしたかった。後半からはラインも上げしっかりとポゼッションすることができた」と怪我から復帰した薗田。チーム全体に攻撃の意識が高まり徐々に甲府ゴールに近づいていく。
71分、北井佑季のドリブルからショートパスを繋ぎ平本一樹のシュートはゴール右に外れた。そして83分、ついに勝又がピッチに戻ってきた。「どんな形でも誰のゴールでもいいから点が欲しい。自分も少しでもチームの力になりたかった」エースの復帰で勢いを増した町田はロスタイムに最大の決定機を迎えた。右からのクロスに合わせた太田康介のヘディングシュートはゴールポストに惜しくも阻まれた。
薗田は「自分でも出来た部分と出来ない部分があった。前半戦の山形戦は良かったが次の岐阜戦がよくなかった。良かったところは次に繋げていかなくてはいけない」と語った。
得点こそ奪えなかったが今日の攻撃に自信を持ってほしい。恐れずに今日と同じチャレンジをしてゴールを奪うのは次のアウェー栃木戦でなければいけない。次の次に期待する余裕はもうないだろう。
「絶対残留」試合前に掲げられた横断幕。選手、サポーター共に挑み続ける町田のリーグ後半戦は横浜FCとの対戦で始まった。
今までとは違う動きをみた。鈴木崇文が左サイドから中央へ斜めに走り込んで縦パスを受ける動きだ。あいたスペースに藤田泰成がオーバーラップしクロスを上げ、立ち上がりから積極的な攻撃を仕掛けた。
しかし…。27分、横浜の早いリスタートから一瞬の隙をつかれクロスをカイオに決められ先制点を奪われる。更には前半ロスタイムにもショートパスで中央を崩され追加点を許してしまった。
今の町田が2点のビハインドを跳ね返すことは厳しいことだろう。それでも怯むことなく、太田康介の味方を鼓舞する大きな声に後押しされゴールを目 指していく。56分、鈴木崇のFKはゴールポストを直撃。88分には鈴木孝司のシュートはクロスバーを叩いた。後一歩のところでゴールを逃した町田。後半 にも2失点、0対4での敗戦となった。
その想いとは、「前半戦は目標が明確にならないまま終わってしまった。目標を1つ掲げることでまとまっていきたい」試合後に挨拶に訪れた選手達にもメッ セージを伝えたサポーターの大城尊(おおしろたける)さん。「一試合の勝敗にこだわらず最後まで一緒に戦い、最後に目標を達成することができればいいで す」
新しいチャレンジをみせた鈴木崇文は「素晴らしいサポーターに感謝しています。正直、残留を目標にすることは悔しい」と語った。
現実的にプレッシャーのかかる試合は徐々に増えていくだろう。怪我人が多かろうと、夏場の連戦が続こうとゼルビアは挑み続けなければいけない。苦しい状況を共に乗り越え、真の団結、成長が生まれることに期待したい。