サッカーJ2は6月24日の試合で前半戦を終了、初参戦のFC町田ゼルビアは序盤、ガイナーレ鳥取とロアッソ熊本に連勝して良好な滑り出しを見せたが、その後苦戦し最下位で後半戦を迎えることになった。
第20節、上位のモンテディオ山形戦では攻撃的なサッカーで勝ち点1をつかみ復調の兆しを見せたゼルビア。前半戦最後の試合、同じく下位に低迷するFC岐阜に勝利して最下位脱出を図りたかったが、くしくも破れた。J2の舞台でも、ぶれることなく自分たちの「パスサッカー」を続けるが、第10節以降はエース勝又慶典選手をけがで欠いた影響か、わずか1勝と結果が出ていない。
その勝又選手が6月27日、練習に合流した。「あわてないでしっかりとけがを治したいが、そういう状況でもなくなった」と1日でも早くピッチに立つために最後までグランドに残り体を動かした。「まだ半分残っている」と力を込め、これからゼルビアがすべき戦いについて話す。
「ゼルビアのサッカーはしっかりとボールを保持すること。ボールを持っていることが最大の守備になる。ただ最後まできれいにやるのではなく、もっともっと貪欲にゴールを狙っていかなければいけない。とにかく点を取ること」と、頼れるエースのゴールへ向かう姿にチームの進化が懸かる。
エースにボールを送る役割を担うのが庄司悦大選手。「前半戦は自分で満足できる試合は一つも無かった」と振り返る。「ゼルビアの究極体はスペインのバルセロナ。今そこまでにはなれないが、ボールを大事にして相手に触らせないつもりでやる。ゴールに向かうパスを出せるのは自分しかいない」とこれからのチームを背負って立つ意思を示す。
チームを取材するライターの高橋潤さんは「全ての選手のパスサッカーへの信念は変わることはない。これからは個々のオリジナリティーの発揮、融合こそがチームの進化につながっていくだろう」と期待する。
次の公式戦は7月1日、町田市立陸上競技場でFC横浜と対戦する。前節初めてベンチ入りした戸田和幸選手と横浜の三浦知良選手、元日本代表ベテランのマッチアップにも期待が集まる。18時キックオフ。当日は多摩センター駅と鶴川駅から臨時競技場直行バスも運行する。