多摩都市モノレールの町田方面への早期延伸を目指す「多摩都市モノレール町田方面延伸協議会」は2月4日、設立記念シンポジウムを町田市内で開催した。
モノレールは現在、多摩センター~上北台間で営業。延伸を求めるルートは多摩センターから小山田桜台団地や町田山崎団地を通りJR町田駅を結ぶ約13キロ。2000年の運輸政策審議会(現・交通政策審議会)答申で、「今後整備について検討すべき路線」に位置付けられている。同協議会会長の石阪丈一市長は「2015年に行われる交通政策審議会の答申で『整備を推進すべき路線』の格付けが必要」と話す。
市は、鉄道駅がない市中央部の交通利便性の向上と居住者の高齢化が進む団地の再生を課題に挙げている。基幹交通となるモノレールの整備によって、多摩地域の他都市とのつながりを強めるとともに、モノレール駅周辺や沿道のまちづくりをすすめ、メリハリのある土地利用や住み替えを促進する考え。
シンポジウムの基調講演に登壇した日本モノレール協会の日野祐滋専務理事は「モノレールは道路の上空に建設するため、道路整備を先行することが必要。まちづくりと連携し、市民がモノレールを必要とする機運を高めることが重要」と指摘する。コーディネーターを務めた明星大学の木下端夫教授によれば、モノレール部分だけで1キロあたり約100億円の整備費がかかるという。
パネルディスカッションでは、「相模大野や海老名などで商業環境の整備が進み、脅威を感じている。モノレールで町田の中心部に人が集まることを期待する」(町田商工会議所の平本勝哉会頭)、「ルート上には住宅地がたくさんある。移転の問題などに住民の理解が得られることを期待する」(町田市町内会・自治会連合会の中里孝夫会長)などの意見が出された。
石阪市長は「現段階では、モノレールが完成して駅前にどんな街ができるかイメージすることが大事」と応答。市は早期に東京都に要望行動を行う予定。