外車・輸入車のオートバイを販売する「Kizuki(キズキ)」(町田市小川、TEL 042-795-8969)が2006年にスタートした、オートバイのレンタル事業「Rental 819」が急成長している。
同事業は、年式が新しいドカティやハーレーダビッドソン、KTMなどの外車やホンダ、ヤマハなどの輸入車をメーンに短期間、一定料金で貸し出すもの。11月中旬現在、関東エリアを中心に直営8店舗と加盟17店舗の計25店舗で同事業を実施、約600台のレンタルバイクをそろえる。
「事業の特徴は、新しいモデルを良好なコンディションで提供すること。試乗車と違って、乗車後のセールスはしない」と同社の松崎一成社長。
レンタル事業を開始した理由について、松崎社長は「道路交通法改正でオートバイの駐車違反取締りが厳しくなったこと、消費の多様化による若年層のオートバイ離れ、メーカーの海外重視などにより、ピーク時約320万台の販売台数が2007年には約70万台に激減した。マーケットが縮小するなか、販売店が自主的努力をする必要があった。ハイクラスオートバイのレンタルはこれまでなかったことから参入を決めた」と振り返る。
2006年モーターサイクルショー出展後のゴールデンウィークに「ブレイク。貸出し台数が急増した」(松崎社長)。昨年末には、中小企業新事業活動促進法に基づく知事承認を取得。低利融資や信用保証などの支援を受け、加盟店に提供するシステム開発などを行った。今年は約1万件の貸し出し件数を見込む。「マーケット規模は未知数だが、事業開始後10倍に拡大した。新モデルを試乗したいというバイク所有者、バイクブーム世代の反響がある。バイクを所有していても、じっくり乗る機会が少ないという方も多い。『所有』ではなく『利用』というスタイルが見込まれる」(同)。
レンタル料金は貸し出し時間によって異なる。24時間では、普通二輪=12,600円~18,900円、大型二輪=16,800円~23,100円、外車・特殊=19,800円~27,300円。30歳半ばの男性が1~2日間利用するパターンが多いという。同社レンタル事業部の大塚さんは「ゴールドウイングのような大型ツーリングバイク、あこがれのハーレーに乗ってみたいというニーズのほか、お台場店では周辺エリアの観光の足として、トライクスクーターの短時間利用の人気が高い」と説明する。
今後の展開について、松崎社長は「フランチャイズのモデル化に取り組み、地方主要都市での展開を予定する。夢を提供して、オートバイ文化の創造に貢献できれば」と意気込みをみせる。