美大生らが出資・運営するカフェ「slow boat(スローボート)」(町田市相原町)が12月9日、JR相原駅前にオープンした。
同店の運営スタッフは、多摩美術大学、東京造形大学、日本工学院の学生13人。先月開催された「玉のよこやま アート&ウォーク」の1企画として、美術系大学が集積する地域の特長を生かしたカフェをつくるため、地元の学生向けアパート経営者が学生に声をかけたことがきっかけとなった。
開業費用は36万円。メンバー13人が各自2万円を出資し、町田市のイベント助成金10万円を利用した。「地元の協力で敷金・礼金などの負担なし。月7万円の家賃だけで貸していただくとともに、閉店した店舗の調理器具や家具を無料で使わせていただくことができた」とスタッフのひとり、多摩美術大学3年生の小山さんは話す。
店舗面積は約13坪。席数はカウンターとテーブル合わせて21席。お好み焼き店だった木造2階建ての建物を改装した。「内装はデザインを持ち寄って、話し合いながら決めた。各自、デザインにこだわりがあるので、壁の色を決めるだけでも大変だった」(小山さん)。開業に必要な書類や図面の作成、内装工事はすべてメンバーが行った。
メニューは、コーヒー、紅茶、アルコール類が300円から、カレー、ホットドッグ、デザートが270円から。「価格設定は手探り状態。資金が少ないので、とにかく出費を抑えている」と経理担当の小島さん(多摩美術大学3年生)。
「カフェ運営にかかわって、お金の使い方、サービスに対する客の反応など学ぶことが多い。今後は、アート作品を展示するギャラリーとしても利用したい。自分たちの後継者も見つけていかなければ」(小島さん)と意気込みを見せる。
営業時間は、平日=17時~22時、土曜・日曜=11時30分~22時。