ヨーロッパから仕入れたアイテムを扱う洋服店「HAKUi(ハクイ)」(町田市中町1、TEL 042-724-7891)が4月12日、町田市役所そばにオープンした。
同店のコンセプトは「ヨーロピアン・ビンテージ」。オーナーの伯井さんは「古い洋服は今に生き残ることができた『精鋭』。当時の技術の粋を集めた丈夫さや、刺しゅう、繕いなど当時の持ち主の思い入れが見られる、正真正銘のオリジナル。特にヨーロッパ古着は民族衣装的なものが多いのが特徴。手に取った方の創造力に訴え、『個性』とは何かを問いかける」と説明する。
同店は2005年、ヨーロッパ各国から集めた一点もののビンテージ衣料を取り扱う店として、相模大野駅前のレガロビル内にオープン。個性的なファッションを好む顧客を得ていたが、テナント契約更新を機に町田へ移転した。
「商品説明やコーディネート提案などにより、納得してお買い上げいただきたいので、多数来店されても対応ができない。駅からそこそこ近く、人目に触れにくい路面店を探した」(伯井さん)。
店舗面積は約30坪。外部空間をイメージしたというインテリアは一見「廃虚」。入り口には壊れかけた額縁を積み上げ、天井からは古びた鳥かごや天使の人形、コイルがむき出しになったベッドなどをぶら下げる。元ドイツ料理店のタイル壁はハンマーで破壊。床には廃材とレンガを随所に使い、ミリタリーテントで店内を区画。フランスの童謡や小鳥のさえずりのBGMが響く。「都市と文化の痕跡、自然との結びつきを表現した」(同)。
第一次大戦時のフランス軍の軍服、19世紀後期ビクトリアンのボレロ、フリーメイソンのコートやバッグ、オールドのコーチのバッグ、ウール素材のビンテージ・サイクルジャージーや水着、アンティークコットンのドレス、マルタン・マルジェラがモチーフにしたドイツ軍のスニーカーなどを店内に並べる。
「来店客の滞留時間はとても長く、平均3時間。オープンからクローズまでいる方も(笑)。客がイメージされるスタイルよりも半歩先を提案するコーディネートで数点の服をお買い上げになる方も多い」(伯井さん)。「ファッションの面白さは重ね着。年月とともに味が出て、ますます好きになっていく服を今のファッションに取り入れていただければ。当店の世界観をアミューズメントとしても成立させたい」とも。
営業時間は12時~22時。毎月1日定休。
※下北沢に移転