夜間照明で防犯性を高めつつ、街並みのイメージを向上させる社会実験が1月18日、町田文学館通り周辺で始まった。実施主体は、地元の商店会や町会で構成する「まちだ夢あかりプロジェクト実行委員会」。
実験では防犯灯の一部を消灯し、民地側の路地や建物のくぼんだ部分にあんどん風の照明を設置。「不審者が隠れる場所をなくし、防犯性を高めることができる」と同プロジェクトに協力する照明デザイナーの角舘政英さん。
角館さんは2000年から街路空間の光環境についての研究を始め、これまでに横浜元町や川越など全国約40カ所で調査・実験を行ってきた。「街の暗がりをなくし、人の気配をつくる新たな照明を設置することで防犯性と街並みの雰囲気を高めることができる。既存の街路灯や防犯灯と異なり、道路を均質に照らす必要がないので省エネにもつながる」
実験対象は町田市まちづくり条例の登録地区から選定。地域住民や商店主らに呼びかけたところ半数の約30軒が参加した。「想定よりも参加者が少ない。高齢者が多く理解を得ることが難しかった」
「街並み整備にはメリットとデメリットがあり、反対者も出てくる。照明からのアプローチは、お金をかけずに比較的簡単に景観を良くすることができるので有効。実験をきっかけにまちづくりへの機運が高まれば」と期待する。
同実験は今後、アンケート調査や住民との意見交換で効果を検証するほか、町田市民フォーラムで2月11日に開催する「町田市街づくりフォーラム」で報告する予定。
実施時間は17時~翌朝。今月24日まで。期間中、22時まで町田市民文学館でパネル展示を行う。