JR淵野辺駅そばで名物料理「牛汁」を提供するレストラン「上海ジミー」(相模原市淵野辺3、TEL 042-752-1700)が今年で60周年を迎えた。
同店は1951(昭和26)年、中国大陸から帰国した先代が現在の場所にSPレコードを聴かせるミルクホールとして「千両」の店名で開業。「淵野辺かいわいは当時、金が集まるワイルドで危ない場所だった。現在の八千代銀行裏は歓楽街でアメリカ兵とやくざ、近隣大学生が夜な夜なけんかを繰り広げ、ペイデー(給料日)にはバケツいっぱいの札束の売り上げがあった」と2代目店主の田原洋介さん。
その後、店名変更や店舗の移転を経て、約40年前に「上海ジミー」として定着した。「店名は初代が考えた。由来は不明だが、古き良き時代の中国とアメリカのフュージョンだと解釈している」(田原さん)。
名物料理「牛汁」は開業当初から提供するメニュー。あく抜きなどの下処理をした赤身部分を多く含む和牛スジ肉を6時間以上煮込む。提供される器の表面には脂が浮いているが、意外にさっぱりした味わいだ。「中国の道端で肉を岩塩で煮込んでいたのを先代が見て、それをヒントに開発した。下処理以外はレシピを変えていない。作り方は企業秘密」
メニューは牛汁(大800円、小600円)、ライス(大300円、中240円、小180円)、ビーフハンバーグ(180グラム、900円~)、ビーフステーキ(1,050円)、カレーライス(大900円)など。ドリンクは生ビール(600円)、フレッシュフルーツサワー(630円)、ウーロン茶(350円)など。客単価は1,500円。「牛汁とライス、キムチのセットでオーダーする人が多い。肉をたくさん食べたいという方は、ハンバーグやステーキに牛汁の小を合わせるのがおすすめ」
テレビなどにも取り上げられ、一時は行列ができるほどの人気店となった。「お客さんにうまいと言ってもらうのがうれしくて、楽しくてあっという間に時が過ぎた。仕事は大変だが夫婦でがんばってきた。息子が店を継ぐかどうかは分からないが、できるだけ店を続けていきたい」と話す。
店舗面積は約10坪。席数は1階8席、2階12席の計20席。営業時間は11時30分~14時、17時~22時。日曜・祝日定休。