町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。
こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。前回までユーミンを話のまくらにしてましたが、今回からは山下達郎のことを。シュガー・ベイブの「SONGS」は、ほぼリアルタイムにレンガ通りの鈴木楽器で入手しました。たしか、FM東京(現:TOKYO FM)の「小室等の音楽夜話」という番組に「DOWN TOWN」スポットCMが流れていて、最初は「これ、外国の曲?」とびっくり(ダウンタウンヘクリッダッツオール♪、みたいに聞こえた)。後年、アイズレー・ブラザーズの「If You Were There」を知り、これを換骨奪胎して日本のシティ・ポップスにしたのかと感慨深かったです。
前回はレンガ通り(町田中央商店街)から姿を消した靴屋さんやおそば屋さんや喫茶店の話でしたが、じつは洋食屋のグリルママとか、菊甚ビルにあるカンボジア&エスニック料理のアンコール・トムとか、壱番街に出てすぐのホンタマビルにある焼肉の一楽やお好み焼きのひろしま鉄ちゃんとか、けっこうむかしから変わらないお店がある一帯。そうだ、洋服の川島屋も健在だし。とはいえ、「円マック」(円盤形だからそう呼ばれる!?)へどーんと続く道の左右は、もういつなにがあったかわからないくらい変化し続けていて。
いまカラオケ館のあるところが、たしか玉の家という練り物屋さんだったはず。繁盛してた記憶があるんですが...いまや家で真面目におでんをつくろうとすると、松陰神社前のおがわ屋か吉祥寺の塚田水産までいくか、ネット。...しかしながら、この商業激戦区になぜか床屋さんが3軒も隣接しているのが、素晴らしいと思います。理容「ひかる」とヘアーサロン「スエヒロ」とバーバー「美樹」。ひかるさんとスエヒロさんには小学生の頃、お世話になっていて、しっかり刈り上げてもらってました。色気づいて美容室にいくようになって、ご無沙汰になってしまったんですが。
そして、町田を代表するファッションのマルカワ。私ゃ三軒茶屋や中目黒でマルカワを見かけてぶったまげるほどに<町田の店>というイメージが強くて。中高生の頃、お洒落な友達はここでズボン(スラックス!)を買ってました。制服に色が似てるけど、ちょっと違うのを(ベルトレスだったりツータックだったり)。それで、裾詰めしてもらうんです。通常22センチくらいのを、18センチとかに。さらに上級者は...これは曖昧な記憶なんですが、マルカワの地下階にいわゆるボンタンとかの既製品があって、その型により「ランボルギーニ」とか「カウンタック」とかスーパーカーの名前がついてて、ってこれは「ビー・バップ・ハイスクール」が流行った1980年代前半ではなく、「俺の空」「サーキットの狼」が人気だった1970年代後半の思い出。当時の町田の不良──ヤンキーという言葉はなく「ツッパリ」と呼ばれてた──は、トッポイ(死語)。