文教地区・淵野辺にあるちょっと変わった食堂。入りやすそうでいて、鍵がかかっていてトビラが開かない。なぜ、こんな場所が誕生したか?「まちの不動産屋さん」2代目が、ここを舞台に巻き起こる人間模様を語る連載コラム。
淵野辺で創業47年となる不動産屋の二代目、池田峰です。日本で一番「味どう?」と聞いている不動産屋です。当社、東郊住宅社が運営する入居者向け食堂「トーコーキッチン」にまつわるエトセトラをお話しさせていただきます。
ある日、こんなつぶやきを見つけました。
トーコーキッチンを温かく見守ってくれている様子がひしひしと伝わってきます。
彼女はいったいどうしたというのでしょうか?
トーコーキッチンは年末年始の12/30~1/2の4日間を除き、毎日8:00~20:00の通しで営業しています。8:00~11:00が朝ごはんの提供時間、11:00~20:00が昼・夜ごはんの提供時間です。
朝ごはんのメニューは基本的に日替わり定食1種類のみなのですが、金曜日はカレーを、日曜日はパンを選んでいただけます。いずれも100円です。
11:00以降は、日替わり定食1種(500円)、週替わり定食2種(500円)、カレー2種(500円/600円)、ハヤシライス2種カレー2種(500円/600円)から選んでいただけます。それぞれに副菜2種と豚汁、ご飯(白米/雑穀米)が付いてきます。
ドリンクもご用意しています。コーヒー、紅茶、ルイボスティーから選んでいただけます。コーヒーは相模原、紅茶はニュージーランドのブランド物です。ルイボスティーはカフェインを摂らない方のためにご用意しました。いずれも100円です。
それに加えて、お茶時間や食後の楽しみにと、月曜日と木曜日には手づくりお菓子を50円で提供しています。パティシエ経験のあるスタッフが加わってから、お菓子の日を楽しみにしてくださるファンの数がグッと増えました。
そこで、先ほどのつぶやきです。
2022年12月8日。知る人ぞ知る、いや、若年層に至ってはまったく知られていない名菓シベリアが提供された日のことです。明らかに一般受けしないどころか売上すら目的としていないんじゃないかというシベリアというチョイスに気が付いた彼女。その選択の裏にあるわたしたちの遊び心を代弁したい願望がついに極限まで達し、そして、世の中に向けてつぶやいたのです。
トーコーキッチンのレシピは今や100を超えています。1日に150~200名が来店する飲食店として、毎日食べても飽きないように配慮し、食材の仕入れ状況や価格なども加味しながら工夫をして日々のメニューを組み立てています。もし、ただそれだけに向き合っているような飲食業としての仕事の側面だけだったならば、心労が尽きない仕事でしょう。
しかし、トーコーキッチンは違います。目の前にいる一人ひとりの入居者のみなさんが喜んでくれて、「おいしーい!」と言ってくれます。シベリアのような遊び心を出したときにも、笑顔で「おもしろーい!」と返してくれます。とてもやりがいある幸せな仕事なのです。
ところで、当コラム「トーコーキッチン物語」の原稿は東郊住宅社の二代目、池田峰が本当に書いているのでしょうか? やっぱりゴーストライターが居るのでしょうか?
答えは「ノー」です。
実は、そこにトーコーキッチンに対する私、池田峰の強い思いがあるのです。
でも、それはまた別のお話。