町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。
こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。短くもなく生きてきて、まさか桑田佳祐がNHK朝の連ドラのテーマ曲を歌うことになるなんて、想像もしませんでした。サザンオールスターズもユーミンも、もはやリビングレジェンド...「ひよっこ」での有村架純のファッションは、昭和っぽくて懐かしいです。
今回は原町田の記憶を辿ってみます。とくに、横浜線と境川に挟まれた一帯についての、半世紀前のあやふやな記憶。じつは、まだ横浜線と小田急線が地上駅(「原町田」と「新原町田」)だった頃、その交差箇所がどんな構造になっていたか、もはや覚えていません。町田バスセンターができる前...新原町田駅を越えた境川方面は<町の裏側>っぽい気配が漂っていて、ざっくり言うと「こどもが遊びにいっちゃいけません!」的な。小田急線が高架で、横浜線はいまみたいに川沿いを走っていたのかな(たしかまだ単線だったはず...)? わずかに覚えているのは、坂になっていて、下っていくと丸井に面した地上階の道(北口のペデストリアンデッキの下かな?)に出たこと。丸井は、私が小学生の頃にはもうありました。「駅のソバの丸井」「赤いカードの丸井」は割賦販売(分割払いOK)のお店で、たたずまいも<駅前にドーン>というより<駅裏にひっそり>という感じだったと思います。大学生になった頃でも、先輩が「カネないんで池袋の丸井の月賦でギター買った」とか話してたので、そんなイメージだったはず。でもその後、丸井は急激にオシャレ化して、私がフリーのライターになって出入りしていた出版社が「YYY」というPR誌をつくっていたりして。いわゆるバブル時代の丸井のセールとか、すごい光景だったなぁ。客には透明のビニールバッグが渡されて、○%オフのセーターやシャツを試着もせずに取り合いする、みたいな。
でっ、その丸井のさらに奧のほう(現在の南口~境川沿い~町田天満宮あたりまで)については...とにかく強烈な印象として残っているのが、やたらと立ち並んでいた「ヌード専門・サガミ劇場」というストリップ小屋の看板というかポスターというか。当時の私のホームグラウンドは本町田でしたので、チャリンコで遠征していくと、とにかくその刺激的なコピーライティングが気になっちゃって! ステージ内容を表す意味不明な隠語も並んでいたぞ、具体的に書きはしませんが、覚えてる。
境川沿いに釣り堀があって、よく行ったんです。いまあるデニーズより、もうちょっと奧のほう。暗くなっての帰り道、このあたりは大人の飲み屋が多いな、と感じた場所があって、あれが「ちょんの間」街だったのかもしれない(「たんぼ」という言葉は、こどもの頃に聞いた記憶はありませんでした)。今回撮影のために歩いてみたら、川沿いに「警告 売春は違法行為です」との看板があって感慨深し。そしてそしてサガミ劇場は...成人後、念願かなっていきましたよ。その話は、瓔洛とともに次回!