有機栽培に取り組む日本の農家は0.4%と、ヨーロッパ(40%以上)に較べて圧倒的に少ない。町田市小山町で、遊休農地を活用した無農薬野菜の栽培に取り組む「おおるりファーム」の青木瑠璃さんが、日々の奮闘と収穫の喜びを伝える連載コラム。
#014 農業は環境破壊ですか?
大変暑くなってきましたが、お元気でお過ごしですか?
このコラムを書くにあたりまして、大変な緊張感と認められたいという思いがあり、なかなか筆が進まないのは何故だろうと考えてみますと、私の父の存在があることがわかりました。父とは、生前いろいろな社会の問題に対する考えをお互いに述べ、人類に関することを互いに考察して、まあ、私の方が最後には負けるのですが。そのような仲でした。
そんな父も、4年前に他界してそれ以後議論をする相手もいないまま、今に至りました。このお話を読んでくださる方の大半はおじさまかと思っています。なので、何故か緊張します。ぜひ私と議論してくださる素敵なおじさまがいたらと思っています。もちろん!!おばさまでも最高です。
人類の発展において、森を殺したのは誰ですか?
ギルガメッシュ叙事詩(4600年前)で、ギルガメッシュと友人が、森の神フンババを殺すことから始まります。森の神を殺した結果、メソポタミヤ地区の大規模な森林破壊は今においても戻っていないのです。
日本においては、縄文時代から弥生時代に入り、稲作や農耕が盛んになってきました。森を切り開き開墾したのは北海道が一番有名ですね。さて、農耕をするようになりますとだんだんと邪魔な動物が出てくるようになります。そうして駆除していきます。
狼がいなくなることにより、鹿が増え、イノシシが増え、現在に至ります。
二方向から見ることができるのですよ、一つには農耕は人類の繁栄のためであり、多少の動物殺しなどの犠牲は仕方ないという考え方です。二つ目は森林の破壊と農地の形成は人間のエゴであるため、多少の動物による被害は仕方がないという考え方です。
環境をテーマにした作品に『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)があります。多摩丘陵を舞台にした作品です。私が考えるのは、本当に環境破壊だけが人類の悪なのですか?ということで、極論から言いますと、人類そのものが地球環境にとって悪なのではないかと、高校生の頃から思っていたわけです。
人類のいなくなった後の地球は多分美しいと確信しています。
これに対して、もしご意見を頂けましたら幸いです。ありがとうございます。
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【プロフィール】
都内では初となる農地あっせん事業(農地利用集積円滑化事業)が町田市で始まったことを機に、世田谷区からの移転を決意。農業研修を受け、それぞれイラストレーター、デザイナーから農業の道に飛び込んだ。農薬と化学肥料を使わずに野菜を育てることにこだわり、東京都が認める「エコ100」を取得している。ウェブサイト