町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。
こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。結婚して松任谷さんになったユーミン最初の衝撃曲は「Destiny」でした。ノリノリディスコ調で「今日にかぎって安いサンダル」...きっと2度と履けなかっただろうな。そして次は「恋人がサンタクロース」。昨年亡くなった松原正樹のギターが印象的ですが、個人的にはドラム(林立夫?)の、フェイドアウトし始めてさらに盛り上がる暴走っぷりにぐっときます。トナカイ、どんだけ飛ばしてますねん。
...本町田。写真の郵便ポストの手前には細い坂道があって、小学生の私の通学路でした。真ん中へんの住宅あたりは、田んぼだったような。そして鎌倉街道に面した茶色いビル。ここには万屋(よろずや)の熊沢商店があって...っていうか、このへんには他にお店がなくて、たぶん幼少時の私の栄養のかなりの部分は、このお店で買った食料なのかもしれない。たしか、お酒も扱っていて、店の裏には日本酒の空き瓶が箱で詰んでありました。一時期なぜか、子どものあいだで酒蓋をメンコみたいにした遊びが流行って、ここに忍び込んで集めていました(ゴメンナサイ!)。
その後「モンマートクマザワ」(記憶曖昧)みたいなコンビニのような店になってたような気もするけど、いまは炭火焼鳥「いざ」とブーランジェリーNikoが並んでいます。「いざ」はおいしい串焼きが好き。駅前などのお店とは違う、のんびりしたジモティな雰囲気がいいなぁ。いっつもお客さんがいっぱいですね。Nikoのパンは甘い系もお総菜系もかわいらしくて、ついつい見た目に惹かれていっぱい買ってしまいます。もう少し菅原神社のほうにいくと、むかしは三叉路のところに宇奈月クリーニングがあって、長くお世話になっていました。
さて、ふたたび郵便ポストあたりの昔話。この、いまは駐車場になっている三角地帯に飯場があったことを強く覚えています。付近には小川が流れていたりして、ザリガニとか獲ってたんですよ。でっ、柿の木の周辺を夕方にウロウロしていると、飯場のなかから威勢のいい大人の声が漏れてきたりして...まあ、いまの私の年齢からすると、若い兄貴達みたいな大人だったんだろうと思うんですけど、当時は「大人の男が集まってる」って雰囲気がムンムン渦巻き熱気を放ってました。そして、緑がかった水色のプレハブ建物のそとには一升瓶とか、あと、雑誌と漫画が散乱。その漫画が、あっ、絶対ヤバイ(子どもにとって、ね)と思える麻雀とかパチンコとか競馬とか、そんなの。あと、もちろんエッチなの。もう、当時「少年ジャンプ」に載って社会問題になってた「ハレンチ学園」なんかとは次元が違う感が、風に揺れてひらひらしてました。そして勇気を出して手にしても、描かれていることの意味がまだよくわかりませんでした。