玉川大学(町田市玉川学園町6)教育博物館で12月10日、博物学者ジョン・グールドが制作した鳥類図譜コレクションの後期展示が始まった。
博物学全盛の19世紀イギリスで活躍したグールドが当時、発明されて間がない石版画(リトグラフ)の技法をいち早く取り入れて制作した同図譜。一流の画家と石版師が精密に描いた鳥や植物は学問的に貴重で芸術性も高く評価されている。
同展では、同大の小原哲郎名誉総長が約17年掛けて収集した希少なコレクション全40巻39冊のうち、「ハチドリ科鳥類図譜」「アジア鳥類図譜」「イギリス鳥類図譜」「ニューギニアおよびパプア諸島鳥類図譜」のシリーズと関連資料を展示。
グールドの資料を多く所蔵する米カンザス大学スペンサー・リサーチ・ライブラリーの全面協力を得て、図譜製作の工程を複製で再現する。
同大では2001年、保存と活用を目的とし世界に先駆けて全2946枚の図版をデジタル化し、同館のホームページ上で公開している。今回の実物展示について、同館の遊佐肇さんは「前期展を見た来場者からは、原寸大で描かれ、手で彩色された原画の迫力と美しさに感動したというコメントが多かった。ぜひ原画を見ていたければ」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時~17時。入館無料。休館日は12月18日、12月22日~1月6日。来年1月27日まで。