普段目にするニュースがどのようにつくられるかを知ってもらおうと法政大学の学生が企画した授業が8月3日、同大多摩キャンパス(町田市相原町)で行われた。
オープンキャンパス体験授業の一環で、社会学部メディア社会学科のゼミ生が企画・運営・広報を全て担う初の試み。同大箱根駅伝チームの協力を得て、選手の記者会見を準備した。
初回授業は18人の高校生が出席。ゼミ生のサポートを受けながら、映像や新聞を参考に質問を考えた。記者会見では、壁を乗り越える方法、ライバル意識、独自走法などについて質問。「(高校生は)個人的に知りたいことを率直に聞いてきたので、記者が専門的な質問をする一般の記者会見とは違って楽しかった」(田井慎一郎選手)とユニークな会見になった。
記事の執筆は、ネットメディアのニュースデスクを務めたこともある藤代裕之准教授がアドバイス。講評会では、毎日新聞社の元編集委員・奥武則教授を交え、「ネットではタイトルが面白くないと読んでもらえない」「状況はよく捉えているが面白くない文章」など辛口の講評も。「タイトルを『◯◯した訳』とすると興味を引く。『シード権を獲得できなかったチームと明暗を分けたのはどこか』など読者の疑問にフォーカスし、しっかり書けるといい」と締めくくった。
授業に参加した東京成徳大学高校の生徒2人は「今日は質問ができなかった。将来、記者になりたいと思っているが、こういうこともあるんだと実感した」「出版に興味があるが、いい体験だった。講評会では『文章がありきたり』と言われてしまった。もっと勉強しなくては…」と、それぞれ話していた。
「参加者に楽しんでもらえたのは良かった。授業時間がオーバーしたので、2回目の授業では工程を見直したい」と授業の進行役を務めた関口大起さん(2年)。
「ゼミ生には授業の企画・運営だけでなく、ソーシャルメディアを使った集客や情報発信、プレスリリースの送付をやってもらった。『いかにして情報を届けるか』ということも考える教育の機会になっている」(藤代准教授)