「郊外」をキーワードに町田の文学の特徴や魅力を探る企画展「この街の現在(いま)-ゼロ年代の町田若手作家たち-」が現在、町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4)で開かれている。
同館はこれまで、一人の作家に焦点を当てた企画展を数多く開いてきたが、今回新たな試みとして、社会学者の塚越健司さんをゲストキューレーターに招聘(しょうへい)。文学的視点だけでなく、社会構造や意識の変化、若者の視点など多角的に「町田の文学」を捉えることを狙った。
対象作家は、西村賢太、阿部和重、戌井昭人、新井洋行、道尾秀介、三浦しをん、中垣ゆたか、村田沙耶香、畑野智美、浅野いにおの各氏で、町田に縁のある若手10人。それぞれが2000年代に主要な文学賞を受賞したり、文学賞の候補になったり、小説家としてデビューしている。
会場では、「郊外都市の憂鬱」「郊外都市が喚起する未知なるものへの創造力」「ごちゃまぜの街が生み出す新たな魅力」といったサブテーマを設けて関連作品、自筆原稿、創作ノート、校正原稿、絵本原画、漫画の原画などの資料を展示しながら、塚越さんの簡潔な解説を加えている。
関連企画として、海猫沢めろんさん、三浦しをんさんと塚越さんの対談。「ソラニン」「まほろ駅前多田便利軒」映画鑑賞会とトークセッションなどを予定する。
観覧時間は10時~17時。月曜・第2木曜休館。入場無料。対談、映画鑑賞会は事前申し込み(町田市イベントダイヤル TEL 042-724-5656)が必要。6月26日まで。