音楽座ミュージカルは2月3日、芹ケ谷スタジオ(町田市原町田4)でVR(バーチャルリアリティ)とミュージカルを融合させた作品「リトルプリンス VR」を先行公開した。
「星の王子様」を題材とした同劇団の演目「リトルプリンス」に、登場人物の視点からのVR体験や登場人物の置かれた環境を伝えるCG演出、一緒にいる観客を感じられる演出など、物語の世界に入り込むための演出を盛り込み、「今までにない新たな視点」を提供するという同作品。
同劇団を運営するヒューマンデザイン(千代田区)の相川タロー社長が以前、ゲーム制作の仕事をしていたことから、今回の取り組みに繋がった。VRとミュージカルの融合は「世界初」という。
先公開は、メディアとファンクラブ会員限定。VR技術で協力したUEIソリューションズ(文京区)の水野拓宏社長は「完成されている舞台、ミュージカルの世界観とVRを合わせるのは難しいというのが第一印象だったが、ライブ感を取り込むことでVRの臨場感が高まると考えた」と説明する。
作品は、観客の目の前で展開する演技と、あらかじめ制作されたCGや録画された演技がシームレスに展開。観客はVRコントローラの操作で作品の演出に関わることができる。香りや風、振動も演出の一部になっている。
「作品作りのなかで様々なアイデアが湧いてきて、可能性を感じた。次は、観客が参加することでストーリーが変化するような作品を作りたい」と劇団員の広田勇二さん。「一度に10人まで観客しかご覧いただけないなどの技術的な制約もあるが、より楽しんでいただけるように挑戦したい」(水野社長)。
今後の作品公開は未定。