東京の郊外・町田が舞台の青春群像小説「あたしたちの未来はきっと」が1月27日に発売された。発行はタバブックス(渋谷区)。
同作品は、中学2年のお楽しみ会で「少女時代」を踊るはずだった美少女たちが時空を超えて運命を切り開く物語。珈琲の殿堂プリンス、カフェノイズ、仲見世商店街が舞台となり、町田ゼルビアなどの実名が数多く登場する。
「大人と子どものはざまでふんわり浮かびあがっているようなティーンエイジャーを描くのに最もふさわしい場所はどこだろう? そう考えたら、都会でも田舎でもない、東京でも神奈川でもない(東京だけど!)我が故郷になった」と著者の長谷川町蔵さん。
長谷川さんは1968年生まれ。大学卒業まで町田で暮らし、1990年代末にライター・デビュー。雑誌を中心に映画、音楽、文学からゴシップまでクロスオーバーなジャンルで執筆している。著書に「21世紀アメリカの喜劇人」「聴くシネマ×観るロック」、共著に「ヤング・アダルトU.S.A.」「文化系のためのヒップホップ入門」がある。
同作品は、長谷川さんが初めて手掛けた小説で、町田発のインディーズ文芸創作誌「ウィッチンケア」から生まれた読み物シリーズ「ウィッチンケア文庫」の第1弾。主宰者の多田洋一さんは「この作品には、少女たちの目を通した2010年代の町田がリアルに描かれている。町田在住の私としては、これは三浦しをんさんの『まほろ駅前』シリーズに続く『町田ゆかり作品』ではないかと感じている」と書籍化の経緯を明かす。
仕様は、B6変型判、148ページ。価格は1,250円(税別)。ブックファーストのルミネ町田店、ボーノ相模大野店などで販売。