相模総合補給廠を南北に貫く暫定道路が4月22日に開通した。開通式には、関係者や地元住民が訪れ、悲願の「南北地域の分断の解消」を喜んだ。
道路は、補給廠の返還地で一般利用できる最初の施設。加山俊夫市長は「長年の取り組みの成果」と話し、補給廠の一部返還地の街づくりに大きな期待を寄せる。
地元、小山地区自治会連合会の石井今朝太会長は「68年前、農家68棟が接収された場所。10数年前に返還運動をスタートした。南北道路の開通で地域の不便さが一気に解消された。長年の夢がかない、多くの市民が喜びを感じている」と笑顔を見せた。
南北道路は、鉄道・道路用地2ヘクタール(幅員26メートル)のうち、早期の市民利用を図るために暫定で整備された。距離は、補給廠と共同使用区域を結ぶ連絡橋付近から相模原駅北口駅前広場までの900メートル。幅員は11.5メートル。
駅北口ロータリー、総合相模更生病院、駅南口ロータリーには自動車で乗り入れることはできず、駅前広場幅員26メートルの「転回スペース」が設けられている。
相模総合補給廠は、戦前、旧日本陸軍相模陸軍造兵廠として使用されていた施設で、1949(昭和24)年に米軍に接収された。補給廠の一部、相模原駅の北側約17ヘクタールは2014年に日本政府に返還。隣接の約35ヘクタールは2015年、共同使用が始まった。