ロックバンド「MOTORWORKS(モーターワークス)」が4月26日、タワーレコード町田店(町田市原町田6)でベスト盤発売のインストアイベントを開いた。
MOTORWORKSは2003年、石田ショーキチさん(Scudelia Electro)、ホリノブヨシさん、黒沢健一さん(L⇔R)、田村明浩さん(スピッツ)の4人で活動をスタート。1枚のアルバムと3枚のシングル、DVD1枚をリリースし、活動を休止した。ファンが再開を望むなか、2016年末に黒沢さんが脳腫瘍で逝去。廃盤で高値で取り引きされていた作品群の再発の声が一層高まった。
再発について、レコード会社「ドリーミュージック」の楠木紳市エグゼクティブ・プロデューサーは、「黒沢さんが亡くなる以前からL⇔Rの作品を再発する話は進んでいたが、長い間活動していなかったMOTORWORKSの作品にどのくらいのニーズがあるか見えなかった。なにより黒沢さんの死に乗っかるような形での再発に躊躇(ちゅうちょ)があった」と話す。
石田さんが実施したアンケートで2000人超から要望を寄せられことが後押しとなり、アルバムとシングル全曲を収録したリマスタリングによるベスト盤の発売が決まったという。
イベントには、石田さんと田村さんがお揃いのスーツ姿で登場。石田さんが「再発はみなさんのおかげ」と挨拶すると店内を埋めた観客から大きな拍手が送られた。「渋谷でも新宿でもない町田でイベントを開いたのは、ここがバンド発祥の地だから」と話し、金森のホルモン焼き店でバンド結成が決まったというエピソードを披露。曲作りやレコーディング、ライブ、黒沢さんの人となりなどについて振り返った。
ベスト盤について、「リマスタリングされた音を聞き、あらためていい作品だと思った。楽しんでもらえれば」と田村さん。バンド再開を期待する会場からの声に対し、「バンドはこれからも続けていくと思う。CDをつくるとは言ってないけど(笑)」と応えると、石田さんは「田村さんにそう言われて降りる訳にはいかない。あと30年位は考えたい」と笑いをとりつつ、「バンドは、みんなの夢を乗っけて走る機関車みたいなもの。みんなの力を貸してほしい」とかっこよく締めくくった。
MOTORWORKSのDVD再発も予定しているという。