麻布大学いのちの博物館(相模原市中央区淵野辺1)で開催中の企画展に多数の「フクロウ」ファンが訪れている。
同大学が所蔵する動物の標本や歴史資料などを展示する同博物館。来館者の人気トップ3のゾウ、キリン、アナコンダ(大蛇)にフクロウが食い込み、2位になったことから、会期を約1カ月延長した。
企画展は、同大学の野生動物学研究室が八ヶ岳自然クラブの協力を得て研究する「フクロウの食べ物」をテーマに据える。フクロウの剥製や骨格標本、写真、エサとなるネズミの骨などを展示し、フクロウの生態や保全について解説する。
同研究室によると、日本にすむウラルフクロウは森林のネズミを食べることに特長があるが、八ヶ岳では草原にすむネズミをよく食べることが調査で分かったという。
「食物連鎖の上位にいるフクロウが生きるためには、樹洞ができる大きな木のある森林と、食物になるネズミが必要であり、ネズミが生息するにはその食物がある豊かな自然が必要」と同館上席学芸員の高槻成紀さん。「フクロウはイヌやネコのようなペットではなく野生動物。見世物としてカフェで飼育することには賛成できない」とも。
関連企画として9月30日、博物館セミナーを初開催。高槻さんが展示内容やフクロウの保全などについて講演する。
開館時間は10時~16時。月曜・日曜・祝日休館。入館無料。10月28日まで。博物館セミナーは事前申し込みが必要。詳細は同館ホームページに掲載。