女子美術大学(相模原市南区麻溝台)の企画展「協働のためのケーススタディ」が現在、アートラボはしもと(緑区大山町)で開かれている。
「協働」をテーマに据えた同館初の企画。「各地で開かれているアート展、今年6月に改正された文化芸術基本法など、アートの世界でも『協働』が謳われるようになったが、現場の感覚からすると言葉がひとり歩きしているように感じる」と同館学芸員の加藤慶さん。
同展では、学内の学芸員と学生作家が研究室の枠を超えたチームを組み、作品づくりや設営方法などを検討。アートラボのスタッフと協議して展示スペースをつくった。学内展示施設は展示方法に制約があるが、もともと住宅展示場だった施設を利用することにより、表現の幅が広がったという。
出展作家は14組。大空間を生かしたインスタレーションが目を引く。見せるだけでなく、記録を残すことも重視し、創作過程のノートなども併せて展示する。同展を企画した沼下桂子さんは「女子美関係者という枠組みを拡大解釈し、OGや教員とユニットを組んでいる外部アーティストにも関わってもらった。その関係性は『展覧会の共催』にとどまらず、ひとつのプロジェクトになるかもしれない」と説明する。
「学生が社会に出れば、様々な場面で『協働』することになる。当企画を通じて他人に自分の考えを伝えたり、大人と関わったりすることで協働について考えるきっかけになれば」(加藤さん)
開催時間は10時~17時。水曜休館。入場無料。