町田在住の映画監督・冨永昌敬さんが手掛けた映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」の全国公開が3月17日に始まった。
同映画は、幼少期に「実母が隣家の息子とダイナマイト心中」という驚愕の体験をした少年がグラフィックデザイナーを目指して上京。ひょんなことから入り込んだエロ雑誌業界で写真家・荒木経惟とコンビを組み、1980年代を席巻した伝説のエロ雑誌「ウィークエンド・スーパー」「写真時代」などの名編集長になるストーリー。出演は、柄本佑さん、前田敦子さん、三浦透子さん、峯田和伸さん、尾野真千子さんなど。音楽は、菊地成孔さん、小田朋美さん。R15+指定作品。
冨永監督は1975年、愛媛県生まれ。日本大学藝術学部映画学科を卒業。国内外の短編映画祭で受賞し、2006年、オダギリジョーと香椎由宇を主演に迎えた「パビリオン山椒魚」で長編商業映画デビュー。ローリング(2015年)、マンガをはみだした男 赤塚不二夫(2016年)、南瓜とマヨネーズ(2017年)などの映画、菊地成孔さんやSOIL&"PIMP"SESSIONSのミュージックビデオを手掛けている。
町田市には、「都内での打ち合わせや撮影に便利」と5年前に移住。近所のジャズ喫茶で脚本を書くことが多いという。「学生時代、四谷のジャズ喫茶でバイトしていたためか、とても落ち着く」と冨永監督。町田の印象について、「以前住んでいた横須賀と比べて多様な人がいる。そういえば、庭で網戸を直していたら、オオタカが飛んできて物干し竿に止まった。私の故郷の四国はクマタカがいる。共通するものがあると感じた」
冨永監督が「撮りたかった」という同作品は約7年、企画を温めてきたという。著者取材をするなどして、1970年代~1980年代の時代考証に苦心しながら脚本を仕上げた。
「この映画は、1970~1980年代に成人雑誌の編集長として活躍した末井昭さんの自伝エッセイが原作。当時を知る大人には、この映画に描かれた時代は懐かしく映るかと思うが、平成生まれの若い方にもぜひ見ていただきたい。葛藤を抱えて悪戦苦闘する主人公の姿には、現在をサバイブするヒントがあると思う」と話す。
上映劇場は、TOHOシネマズららぽーと横浜、テアトル新宿、池袋シネマ・ロサ、シネマジャック/ベティなど。