開館1周年を10月31日に迎える川崎市アートセンター(川崎市麻生区万福寺6、TEL 044-955-0107)は9月12日より、21世紀的な暮らしを発見していくためのコンセプト「Art of Living(アート・オブ・リビング)」を掲げ、暮らし・街・アートをつなぐプロジェクトを展開している。
同プロジェクトは、演劇や映画の鑑賞に加えて、アーティストトークや専門家レクチャー、地域の人々と交流などによる「新しい世界への扉をひらく」コミュニティーづくりを目的としたもの。
1回目のテーマは「原子力エネルギー」。暮らしに欠かせない電気が「どこでつくられて、どうやって運ばれるのか」、送電線の向こう側で「どんな暮らしを送っている人がいるのか」、55基の原子力発電所と核燃料廃棄物を抱えながら「どんな明るい未来をつくっていくのか」――をアートを通して考える。
内容は、昨年の東京国際芸術祭で大反響を巻き起こしたドキュメンタリー演劇「アトミック・サバイバー ~ワーニャの子どもたち~」公演(同27日・28日)、プルトニウム再処理工場の問題を描く映画「六ヶ所村ラプソディー」上映(同27日~10月3日)、六ヶ所村の写真展(9月12日~28日)。
アートカフェ「cafe arte(カフェアルテ)」は金曜・土曜・日曜、アトミック・サバイバー劇中歌「トロロソング」にちなんだスペシャルメニューを提供するほか、演出家・阿部初美さんと演劇批評家・内野儀さんの対談(27日16時50分~)、阿部さんと映画監督・鎌仲ひとみさんの対談(28日12時10分~)を行う。
同センターの大久保さんは「Art of Livingを当センターのメーンコンセプトのひとつとして定着させていきたい」と抱負を話す。
観賞料金は、「アトミック・サバイバー」(前売り)=一般3,500円、学生2,500円、「六ヶ所村ラプソディー」=一般1,000円、学生・シニア・会員800円、高校生以下500円。演劇と映画の特別セット券は、一般・シニア・会員=4,000円、学生=3,000円で9月26日まで受け付ける。