日本フットパス協会(町田市原町田4)が2月、設立10周年を迎えた。
フットパスは、森林や田園地帯、古い街並みなど、地域に昔からある「ありのままの風景」を歩き、道と人を通じて土地の魅力を楽しむ活動。交通インフラや施設整備への負担が少なく、観光施設が少ない地域でも応用可能な「新しい観光」を標ぼうする。
同協会は2009(平成21)年、北海道黒松内町、山形県長井市、山形県川西町、東京都町田市、山梨県甲州市の3市2町とNPOなど5団体で発足。現在の会員数は63(自治体13、団体46、賛助会員4)、全国のフットパスコースは575本。全国各地で毎年、大会を開催して交流を深めてきた。
記念シンポジウムでは、首都大学東京の岡村祐准教授が「都市・緑地のストックとしての散策路の創出と継承」をテーマに据えて講演。多様な歩き方を包摂する散策路の必要性や、生活の中に文化として「歩くこと」を根付かせることの重要性を訴えた。
集まった会員は、それぞれの取組状況を報告。観光客を受け入れる地元意識の変化、広域交流の可能性などについて話し合っていた。