町田在住のキックボクサー山崎秀晃選手が9月、K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチで安保瑠輝也選手にKO勝利し、第5代王者に就いた。
山崎選手は京都市出身の33歳。2008年に来町し、チームドラゴン(町田市)に入門。立ち技格闘技イベント「Krush」で2階級制覇し、2014年からK-1参戦。K-1ジム相模大野KREST(相模原市)に移籍した2016年、世界最強決定トーナメントで準決勝進出を果たすも、膝の負傷のため長期欠場を余儀なくされる。2018年、1年2カ月ぶりの復帰戦で勝利したが、同年12月、安保選手に年間ベストバウトとなった激闘の末、敗れた。
勢いに乗る24歳の王者とのタイトルマッチの下馬評は「劣勢」。しかし、山崎選手は試合開始からプレッシャーをかけて55秒、右フックでダウンを奪う。さらにパンチのラッシュで追撃すると左フックのカウンターがクリーンヒット、安保選手をマットに沈める。1分19秒、会場は大きな歓声とどよめきに包まれた。
山崎選手は10月9日、K-1プロデューサーの中村拓巳さんとともに石阪丈一市長を表敬訪問。試合結果を報告した。「前回の対戦で安保選手に負けた際、(引退の)潮時かなと思った」と山崎選手。しかし、仲間の支えで現役を続けてタイトルマッチにつなげた。「『お前がやる以上、俺らは応援するから』と、僕以上に高い熱量でぶつかってくれた」と振り返る。
「中学からの夢」を実現させた山崎選手。「町田市のたくさんの方々の応援のおかげで、最後まで諦めずに挑戦を続けて、この歳でベルトを獲ることができた。自分が好きでやっているK-1を周りの人が一緒に背中を押してくれて、一緒に戦ってくれる。こんな幸せなことはない。感謝して、これから恩返ししていきたい」と笑顔を見せる。
石阪市長は「町田市民がプライドに思えるような存在になってほしい」と期待を寄せた。